御利用者様という単語 | 介護コンサルタント本田の『介護サービス地域一番化ブログ』

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株式会社ビジテラスの経営コンサルタントの本田新也が、日本中の介護施設をコンサルティングで回った中で感じたことを発信するブログ

こんにちは
介護経営コンサルタントの
本田新也です。

先日、一般の方から介護の違和感について聞かれました。
それも同じ内容を立て続けに。。。

それは、
『介護事業者はなぜ、お客様のことを利用者様というのか?』

ということについてでした。

もう少し聞いてみると、
なぜ利用者という上からの単語なのか?ということでした。
さらに、利用者は上からなのに、『御』や『様』を
つけることには違和感があるとおっしゃいました。
(確かに!)

これって、介護業界あるあるの一つで、
介護業界の常識は、世間の非常識にあたるのではと
ふと感じました。

『利用者』という呼称は私も業界のコンサルティングを
始めたばかりのときは違和感を感じていましたが、
理由や流れを理解して、
最近はあまり考えなくなっていたことです。

しかし、一度考えてみてください。
なぜ、「利用者」なのか?

誰にとって、利用者なのか?
介護保険を使うのだから、保険者ですよね。
だから法律や制度、行政からの目線では利用者で良いわけです。

では介護施設にとっては、利用者なのか?
確かにサービスを利用したり、施設を利用したりしますが、
一般的には、、、お客様ですよね?

デパートやスーパー、カラオケなどに行って
利用者と言われたら違和感を感じると思います。
(スポーツジム等は会員ですかね?)

もう一つ、利用者ってあまり耳にしない単語だと思います。
図書館や体育館などの行政サービスくらいでしか使わないので、
介護施設を使うときに、
「久しぶりに(初めて)耳にした!」なんて状態なので
違和感を感じると思います。

さて、では改めて介護施設で使う
『利用者』(御利用者様等も含む)は
正しいのでしょうか?

周りが使っているからという理由であれば
とても「利用者本位」の考え方ではなく、
業界の常識を押し付けているだけですよね。

冒頭に書いた通り、一般の感覚であれば、
「なぜお客様ではないのだろう?」
ですから。

だから、利用者と呼ぶこだわりがあれば、
「利用者(御利用者様)」
で良いと思いますが、
周りに流されてや、昔からの流れでというのであれば、
「お客様」
にするのが「普通の」考え方なのではないかと思います。

時代とともに、当たり前も変わります。
環境も変わります。制度も変わります。

措置から契約にかわって、15年。
お客様は選択が出来ます。

そろそろ、こんな疑問を投げかけてみても
良いのではないでしょうか?

「利用者本位」

様々な施設の経営理念に入っています。
どちらの当たり前に基づいてサービスを提供していますか?


株式会社ビジテラス
代表取締役 本田新也
http://b-terrace.co.jp