1973年、渋谷の公園通りに開館したパルコ劇場(西武劇場)が、
 

建て替えの為、43年の歴史に幕を閉じます。


 



大千穐楽は、朗読劇の金字塔といわれる「ラヴ・レターズ」です。

 
舞台には黒いブラインドが立てられた背景。

椅子が二つ置かれ、真ん中にテーブル、その上に二つのコップに水差しのみ。

 静かに謙さんと果歩さんが登場して、物語がはじまります。

 

=第一幕=

温かい家庭で育った真面目なアンディ(謙さん)

裕福だけど愛情を欲している奔放なメリッサ(果歩さん)

少年アンディはメリッサに恋心を抱いて手紙を書き、メリッサに送る。

少女メリッサは感情のまま返事を出し、時折描いた絵を送っている。

メリッサが口を真一文字に結んだり、いたずらっぽく笑うのが可愛い。

 
お茶目なやりとりに客席からも笑みがあふれます。

 
時間と空間が、手紙の往復で紡がれていく。

アンディは手紙が好きで、メリッサは電話が好き。

メリッサは実際にアンディに会っても、

手紙の中のアンディがどこかにいるように思えてしまう。

 

声のトーンや表情で、感情や、ふたりで過ごすクリスマスなどの思い出や、

アメリカの四季の情景などが、まるでプロジェクションマッピングさながら浮かんできます。

 

あどけない少女の表情から、

孤独な女の表情に変わるメリッサに。

 


 

=第二幕=

大人になったメリッサは画家に。アンディは上院議員に。

対照的な境遇になったふたりは、強烈に求め合い逢瀬を重ねるが・・・

 

アンディが最後に読む手紙はメリッサの母に宛てたもの。

少しずつ照明が暗くなり、舞台上が暗闇に包まれる。

メリッサは最後にアンディにそっと言葉をかける。

 

深い悲しみと切なさの余韻に浸っている客席からはすすり泣きが聞こえてきました。

 

舞台がパッと明るくなると、そこには満面の笑みの果歩さん!

謙さんが微笑んで腕を差出すと、腕を組んで二人で笑顔に!!

 

カーテンコールで演出の青井陽治さんも檀上に上がり、拍手喝采!!

パルコ劇場大千穐楽の幕が閉じられました。

 

 


 


 

=大千穐楽 手締め会=

司会は笠井信輔アナウンサー

謙さん、果歩さん、青井陽治さん、佐藤隆太さん、志田未来さん、

立川志の輔さんが登壇されました。

パルコ劇場の真紅の458席の背もたれは、

長年お客様は座ったことによるハート型が浮かびあがり、

458個のハートのヒストリーとなっているそうです。
 



果歩さんは、18才で兵庫から上京して、

このパルコ劇場で、

二―ル・サイモン、清水邦夫、ショーガールなどと出会い、

夏目雅子さんの最後の舞台も観たそうです。

そして「クラウド9」「メアリ・スチュアート」に出演。

「クラウド9」の公演の時に妊娠がわかり、

共演女優の方に気づかってもらったこともいい思い出とのこと。



1995年には、中村トオルさんと組んだ「ラヴ・レターズ」に出演。

演出の青井陽治さん曰く、実は「ラヴ・レターズ」は同じ相手役で、

一回だけの公演、練習は一回だけしかしてはいけないと作者は指示したのだそう。

練習を一回しかしないのは、慌ててしても無駄で、演じるその人の人生に乗せて

お客様に届けてほしいということからだそうです。

被災地となった気仙沼で特別に組まれたカップルの謙さんと果歩さん、

k-portで上演された際、お客様から

「こういう物語が観たかった。ドキュメンタリーじゃない物語が。

またこんな物語をもってきてください」

と言っていただけたことが印象的だったそうです。

 

謙さんは、パルコ劇場の「下谷万年町物語」で舞台デビュー。

舞台に不忍池を造り、当時大きな話題になったそうです。

 

そして落語を渋谷の劇場で試み、ロングランとなった「志の輔らくご」の

立川志の輔さんが三本締めで締めてくださいました。

 

最後の最後に謙さん、果歩さんに、パルコ劇場へ一言と訊かれると・・・

謙さん

「演劇のいいところは一回で消えるところ。バイブレーションと夢があるライブは永遠。

3年後にsee you !」

 

果歩さん

「「ラヴ・レターズ」のメリッサの最後の台詞は”ありがとう、アンディ”ですが、
 

いま”ありがとう、パルコ”と言いたいです」

 

 

その言葉は、まるでおふたりからの、パルコ劇場への「ラヴ・レターズ」のようでした。


「ラヴ・レターズ」パルコ劇場ファイナルにお越しいただいた皆様、ありがとうございました。

 

 

 

byあゆん