父が足を切断したころ、入れ違いで、ありがたいことに親友がメールをくれた。

それは、「ウジムシ治療 」と呼ばれる治療の情報だった。

「足を切断といわれたら一度は相談してください。」と呼びかけているのは岡山大学の三井秀也 ドクター。

もしかすると、この治療にチャレンジしていたら切断は逃れられたかもしれないとも思う。


実は、切断の他にも医者からの選択しとして、壊死したところを洗い続ける治療などいくつか紹介されたものがあった。

しかし、私たちは切断を選んだ。


それは、父の意志でもあったが、家族の選んだ道でもあった。


関西の病院での治験の話もあったが、見送った。

転院することで不穏が起これば、治療にならない。

医大で廃人のようになった父を見ているので、もう二度とごめんだ。

現実問題、誰かが付き添わなければならないだろうが、それも大変だ。

その間、母を放っておくことはできない。


父は自分から切断を望んだ。


もう、どこへも行きたくないと。


そして、家族も足を切断した父を支えていくことを選んだ。


1型糖尿病ではなく、痴呆もなけば、他の選択肢もあっただろう。

母が元気であったなら、きっと 他の選択肢を選んだだろう。