松田卓也(宇宙物理学) | 科学カフェ京都(特定非営利活動法人)

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◆◆ 科学カフェ京都 第69回 定例会 ◆◆

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□日時: 12月11日(土)午後2時~4時30分

□話題:「電流のエネルギーは電線の外を流れる」

□提供: 松田卓也 先生(神戸大学名誉教授、あいんしゅたいん理事)

□会場:京都大学湯川記念館内パナソニック国際交流ホール

□参加無料/予約無要

電線の中を電流が流れているとする。そのときに、電流のエネルギーはどこを流れているのだろうか。それは電線の外なのである。多くの物理や電気工学の専門家はこんな問題を考えたこともない。実際、その質問を多くの物理学者にして、正解したのは、ほんのわずかであった。その理由は、電流のエネルギーは電磁場が運ぶのだが、電線の中の電磁場はたとえあるとしても、きわめて弱いのである。
ポインティング・ベクトルという概念があり、それは電場と磁場のベクトル積になっている。このポインティングベクトルこそエネルギーを運ぶ実態なのである。ポインティング・ベクトルはあたかも串に刺したフランクフルト・ソーセージのような形をしている。電流のエネルギーは、電線のそばを流れるのである。スピーカー・ケーブルに関する都市伝説がある。導体の銅がよいほど音質も良いというのだ。だからとてつもなく高いケーブルがある。ナンセンスである。実際、音楽電流は電線の外を流れることを実験で示す。

講演ビデオ: