なぜヤマトは歪んでいるのか | 波動砲口形状研究

なぜヤマトは歪んでいるのか

まずは下の絵をご覧頂きたい。


波動砲口形状研究

3枚のヤマトの絵だが、重ねてgifにしたのがこちら。


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右奥から左手前へと移動していくヤマトをカメラを左にパンしながら追っていく、そんな映像に見えると思う。

 

次にこの絵。


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ヤマトの絵は歪んで描かれることがあるが、これもその例に漏れない。

そしてこの絵の艦体前半、後半、艦橋の形はそれぞれ、先程の1枚目、2枚目、3枚目と角度や視野角が一致する。


波動砲口形状研究

 比較してみていただくとよりよくわかると思う。

1枚目


波動砲口形状研究

2枚目


波動砲口形状研究

3枚目


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つまり、このヤマトの絵は複数の違う角度から見たヤマトを合成して描かれている。

無論これは意図したものだ。

 

貴方の目が艦首から艦体前半、後半、艦橋と追ってゆくとき、あなたの頭の中でヤマトは先程のgifのように奥から手前へと進んでゆく。


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一枚絵でありながら動画として見えるわけだ。

動的な印象をあたえる歪みの例は他にも見つけることができる。私がよくリファレンスにしているヤマトもそれに当たる。(追記:これについては2012年3月8日のエントリ で検証している)


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こうした歪みを上手い塩梅で使うことでCGのようにパースと角度が正しい絵よりもダイナミックで魅力的な絵になる。

 

さて、知っている人は当たり前に知っているこの話を今更書いているのは、絵を参考に模型やCGの造形をする際に、この歪みがあるためにどうしても絵のとおりには出来ない、俺リファやナスビ口もそうですよ、という言い訳をそろそろしておきたくなったというのがある。

 

唐突に話が変わるが田中角栄はいっとき庶民宰相として時代の寵児だった。立花隆は「田中角栄研究」でその金権政治を暴きだし、世論はひっくり返った。しかし後に多くの新聞記者が立花隆が書いたようなことは「当然知っていた」と言ったという。

 

詳しい人には当たり前のことでもそうでない人には案外そうでなかったりする。とりあえず書いておくことで何かの役に立つ場合があるかもしれない。この話を書いたもうひとつの理由だ。