犬や馬の調教 | 先祖を尋ねて

先祖を尋ねて

姓氏のご紹介はほぼ終わったので、日常雑事、架空の物語、政治経済など気儘に書き込む。
参考資料、文献などは要所に集約して示す。

犬や馬の調教
教育・躾

日本、モンゴル、南米


 今から20年前の1980年頃までは、犬の訓練にも暴力による
痛みを与えて訓練するのが日本の常識だった。
牛や馬の大型家畜も大差なかったろう。

その原因は、農耕民族で牧畜民族の様な動物との触れ合いが
少なかった為と言われた。
最近では、日本も欧米の方式が導入され、動物への愛情による
躾が主流になっている筈だ。

それでも、馬の調教において、日本、モンゴル、南米では大差が
あることを示したい。

1.日本の例:岩手県「遠野市の馬の里」

先祖を尋ねて-P604遠野馬の里先祖を尋ねて-P605飼馬の母子
図1.遠野馬の里、2.飼馬の母子
 ご存知遠野は緑豊かなロマンの故郷だ。
オーナーから預かったサラブレッドが大事に育てられている。
しかし、調教しなければ暴れ馬に過ぎないのだ。

先祖を尋ねて-P606馬の調教先祖を尋ねて-P607調教完成
図3.馬の調教、4.基礎調教完成
 直径30~50㍍の円形柵の中で、調教師が気が遠くなる程、
根気良く馬を走らせて調教する。毎日毎日同じことを繰り返す。
クラを付けて乗馬の基礎完成までに2ヶ月以上かかるそうだ。
競走馬として更に年月を要することは論を待たない。

次に延べるモンゴルや南米パタゴニヤに比較すると桁違いに時間を掛け、
物凄く丁寧に調教してゆく。

犬の場合も、人や小動物、自動車騒音に慣れるまで1年を掛け、
更に半年から1年を訓練して、盲導犬、介護犬や警察犬になる。
勿論、暴力は使わない。使ったら盲導犬には育たない。


2.モンゴルの例:遊牧民族の凄さは真似できない。

先祖を尋ねて-Mモンゴルの暴れ馬先祖を尋ねて-Mモンゴルの人と馬
図5.モンゴル
ところがモンゴル人はこんな悠長なことはしない。
まず、いきなり馬の耳をぎゅっと絞る。馬は当然驚く、暴れる。
そこでひるまず、いきなり馬にまたがる。馬はますます驚き、
激しく跳ねたり、走り回ったり、とにかく、
自分の身上に降りかかった災難から逃れようと動き回る。
怒りと恐怖感を感じながら振り落とそうとする馬と、
振り落とされまいとする騎乗者との、壮絶な戦いが続き、
やがて、馬は騎乗者に屈服する。これを、なんと4~5分でやる。
この繰り返しを経て次第に馬は人間に慣れ、乗られることの
何たるかを知ってゆくのだ。

3.南米パタゴニア(チリー、アルゼンチン地方)の例:

先祖を尋ねて-N暴れ馬先祖を尋ねて-Nパタゴニヤの馬と人
図6.パタゴニア
 円形サークルの真ん中に丈夫な柱を立てる。
この柱が訓練の道具にも、訓練士の護身具にもなる。
サークルの中に野生の馬を追い込む。当然暴れまわっている。

カウボーイと同じく投げ縄で馬を捕らえる。
少し走らせるながら、縄を中央の柱に巻き付けるように手繰る。
馬は暴れ訓練士を襲うが、柱の影に隠れながら馬を倒す。命懸け!!

倒れた馬の首筋に「柔道の寝技」と同じくしがみ付く(爆笑)
押さえ込んで離さないと、馬が「降参!」と合図するらしい!!
書くと複雑だが、急所の所はモンゴル同様に数分だった。
大体1時間で乗れるようになる。1日で乗りこなせるそうだ。


お隣の韓国や中国でも最近は、暴力を使わず犬の訓練を
する様になったそうだ。
中国の「京劇」練習風景を見たが、子供達が実に楽しげに
伸び伸びと練習していた。指導者が現れると誰かが号令し、
だらけていた体をピシッと整えて整列、整然と指示を受けた。
「指導者が、暴力不要の信念でやれば出来る」そうだ。

暴力なしでやれば出来るのだ。
日本も変えられる!!