解答のない問題第11章 | 税理士試験突破術

税理士試験突破術

税理士試験を徹底分析。平成25年法人税法・消費税法受験予定です。

問11-1☆☆ 純資産を株主資本と株主資本以外に区別する理由を簡潔に説明しなさい。
資本の変動と利益が一致するという関係(クリーンサープラス関係)は会計情報の信頼性を高め、企業評価に役立つものと考えられていることから、
当期純利益が資本取引を除く株主資本の変動をもたらすという関係を重視して区別している。


問11-2☆☆ 株主資本の構成を簡潔に説明しなさい。
資本金・資本剰余金・利益剰余金に区分される。さらに資本剰余金は資本準備金・その他資本剰余金に区分され、利益剰余金は利益準備金・その他利益剰余金に区分される。


問11-3☆☆ 資本剰余金と利益剰余金とは何かを企業会計原則に即して述べなさい。
資本剰余金は資本金以外で資本取引により生じた剰余金であり、利益剰余金は損益取引により生じた剰余金である。


問11-4☆☆ 企業会計上の剰余金の源泉別区別と会社法上の分配規制とで異なる点があれば、これについて説明しなさい。
会社法では、利益準備金が分配可能額に含められていない点、その他資本剰余金が分配可能である点で企業会計上の考え方と異なる。


問11-5☆ ストック・オプションとは何か簡潔に説明しなさい。
その会社の株式を一定の価額で取得することができる権利のうち、役員や従業員等に対して報酬として付与するものをいう。


問11-6☆☆ ストック・オプションの費用認識の根拠を簡潔に説明しなさい。
ストックオプションを対価としてこれと引換えに企業に追加的にサービスが提供され、企業がこれを消費したと考えられるため、費用認識を行う。


問11-7☆☆☆ 自己株式の性格に関する2つの考え方について説明しなさい。
資産説と資本控除説である。資産説は、自己株式を他の有価証券と同様に換金性のある資産として取り扱う考え方で、資本控除説は、自己株式の取得は株主への会社財産の払戻しであると捉え資本の控除項目とする考え方である。


問11-8☆☆ 自己株式処分差益の取扱いを説明しなさい。
自己株式の処分が新株の発行と同様の経済的実態を有する点を考慮すると、その処分差益も株主からの払込資本と同様の実態であると考え、また分配可能額を構成するためその他資本剰余金とする。


問11-9☆☆ 自己株式処分差損の取扱いを説明しなさい。
自己株式の取得と処分を一連の取引とみると株主資本からの分配の性格を有するものと考えられ、また処分差益との整合性からその他資本剰余金を減額処理する。


問11-10☆ 企業結合とは何か説明しなさい。
ある企業(事業)と他の企業(事業)が、ひとつの報告単位に統合されることである。


問11-11☆☆ 合併をその経済的実態から取得と持分の結合に分類し、その内容をそれぞれ簡潔に説明しなさい。
取得とは他の企業に対する支配を獲得することであり、持分の結合とはいずれの企業の株主も他の企業を支配したとは認められず、結合後企業のリスクや便益を引き続き相互に共有することである。


問11-12☆☆ 取得と持分の結合における会計処理をその考え方とともに説明しなさい
取得の場合は、投資の清算が行われたものと考え、パーチェス法により会計処理を行う。持ち分の結合の場合は、投資が継続されていると考え持分プーリング法により会計処理を行う。


問11-13☆☆ わが国で会計処理をパーチェス法によらない企業結合にはどのようなものがあるか2つ指摘しなさい。
共同支配企業の形成と共通支配下の取引である。


問11-14☆☆ のれんとは何か企業結合を例にとり簡潔に説明しなさい。
のれんとは、企業結合の際に生じた、取得原価が被取得企業の純資産額を上回る場合の超過額である。


問11-15☆☆ 「正ののれん」の会計処理に関する考え方を2つ説明しなさい。
のれんの価値は徐々に減少するものと考え規則的に償却を行う考え方と、のれんの価値が減少した時に減損会計を適用するという考え方がある。


問11-16☆☆ 「負ののれん」の発生原因を2つあげ、会計処理に関する考え方を2つ説明しなさい。
発生原因は認識不能な項目やバーゲン・パーチェスであり、正ののれんとの整合性から負債計上して償却するという考え方と、企業買収の成功と考えて利益計上する考え方がある。


問11-17☆☆ 企業結合に関する会計基準における負ののれんの会計処理を説明しなさい。
負ののれんは、発生年度の特別利益として計上する。


問11-18☆ 事業分離とは何か説明しなさい。
ある事業を他の企業に移転することをいう。


問11-19☆☆ 投資が清算されたものとされる事業分離の会計処理について説明しなさい。
投資が清算された場合には、分離先企業に交付した財の時価と分離元企業の株主資本相当額との差額を移転損益として認識する。


問11-20☆☆ 投資が継続する事業分離の会計処理について説明しなさい。
投資が継続している場合には、移転損益を認識せず、取得原価は分離元企業の株主資本相当額に基づいて算定する。


問11-21☆☆ 配当制限の対象を説明しなさい。
自己株式の有償取得と剰余金の配当の会社財産が流出する場合が対象となる。


問11-22☆☆ 分配可能額の計算上、考慮されるのれん等調整額の計算要素となる資産項目について、その対象に含まれるのはなぜか説明しなさい。
繰延資産は換金性を有さず、のれんは個別的な認識が可能な資産ではないため、配当原資に含まれることのない資本金・準備金を超える部分は分配可能額の計算上控除されることとなる。