いやあ、大変驚きました。これはかなりの傑作なのではないでしょうか。あまり個人でレビューを書いてる人がいないのでインプレッションを詳しく書こうと思います。
このイヤホンはEXTRA BASSシリーズの最上位モデルとして重低音をウリに宣伝していますが、その表現の仕方は正確ではないような気がします。
このイヤホンの最大の特徴は新開発のアドバンスド・ダイレクト・バイブ・ストラクチャーにより、振動板前面に、最適な容積の空間を設けた事です。これにより音の響きに独特の余韻と上品さがあり、そして豊かな低音が魅力をさらに引き上げています。音の出方、立ち上がり方がまるでオーディオスピーカーで聴いてるようなのです。こんな感じで聴かせるカナル型イヤホンは今まで無かったと思います。
カナル型イヤホンのハイグレードな機種は音作りがモニターライクな方向性で、音の響きはデッドめで余計な響きはしないようになっていることが多いですが、このイヤホンはその方向性とはかなり異なります。あえて最適な空間を設ける事が音を聴く楽しさにつながっています。低音をはじめ、中音域が豊かに鳴り、それでいて音像やスピード感が犠牲になっていない。高音もきちんとしたバランスで鳴り、シャリ付かず、サ行も全く刺さりません。まるで音響のいいライブ会場で聞いているように音が生き生きと鳴るのです。本当に聞いていて楽しい。
クルマで例えるならば、もっと高額なモニターライクなイヤホンはレーシングカーなのに対してこのイヤホンはロードスターや86、BRZといった、運転していて楽しいとても良く出来た軽量スポーツカーと言った感じ。
ソニーは上手いチューニングポイントを見つけたものだと思います。
モニター的に鳴るイヤホンではないので、購入する際には是非視聴してみてから検討する事をお勧めします。一度聴いてみて下さい。良い音しますよ。