イングランドのサッカー界で、ファーガソン監督の退任と同じぐらい大きなニュースは、元代表
ベッカムもファーガソン監督に育てられた選手です。
その後、レアル・マドリー、LAギャラクシー、ミラン、パリ・サンジェルマン(PSG)と活躍の場を変えました。
レアルではそれなりに活躍はしましたが、マンチェスター・ユナイテッドでの活躍に比べれば、いまいちだったと僕は思います。
そして、レアルを離れた後は、不本意なシーズンが続いたと言えると思います。
また、ベッカムは、イングランド代表でも、いろいろと話題の多い選手でした。
特に、ワールドカップ(W杯)では、問題視される行動が目立ったように思います。
1998年のフランス大会では、アルゼンチン戦でせっかく優位に試合を運んでいたにもかかわらず、不用意なレッドカードを受けて、数的不利を背負うことになったイングランドの敗退の原因を作ってしまいました。
しかも、直後に、当時交際中だったビクトリア夫人とさっさとスタジアムを後にして、マスコミのバッシングを浴びることになりました。
あるメディアで「アルゼンチン戦のピッチには、10人の勇敢な戦士と1人のおお馬鹿者がいた」と書かれたほどでした。
そして、4年後の日韓共催の大会では、ブラジル戦でライン際でのボールの競り合いで、相手選手を押しだしてしまえば良いのに、競り負けてボールを繋がれ、同点ゴールを許す切っ掛けを作ってしまいました。
あの時の他の選手のあっけにとられたような態度は、今でもはっきり覚えています。
チームメートは、ベッカムが相手選手をラインの外に押し出してしまうと思いこんでいたことがその態度からも分かりました。
この試合では、GKのデービッド・シーマンがロナウジーニョのFKを判断ミスして決勝点を取られたこともあって、イングランドにとっては悔いの残る試合となってしまいました。
そして、ドイツ大会を迎えたときには、ベッカムは選手としてのピークを過ぎていて、存在感はあまり示せませんでした。
僕は、ベッカムが負傷して、その代りに入った当時19歳のレノンのスピードの方が印象に残っています。
負傷交代とは言え、この交代が、ベッカム時代の終焉を象徴するもののように思えました。
このように僕にとってはあまり良い印象のないベッカムですが、ルックスの良さで女性を中心にサッカー界を超えた人気のあった選手でした。
この点でも、他のスーパースターとは異質だったとも言えると思います。
とは言え、その正確無比なFKやスルーパスは、超一流だったことも紛れもない事実です。
要するに、スター性と実力の両方を兼ね備えた選手だったと言うことが言えたと言うことです。
すでに、サッカー界での影響力は無くなってはいましたが、ベッカムの引退は、一つの時代の終わりを告げるものではあるでしょう。
現在のサッカー界のスーパースターと言えばメッシです。
しかし、メッシは、ベッカムとは異なるタイプのスターだと思います。
それはFWとMFの違いと言うだけではありません。
サッカー選手としての実力は、メッシの方が上でしょう。
しかし、ベッカムには、サッカー選手を超えたスター性が備わっていたように思います。
今後このような選手が現れることはきわめて難しいのではないかと思います。
現役引退後、サッカー界に残るのか、活躍の場を変えるのかは分かりませんが、今後とも何かと話題になることは間違いないでしょう。
もし、指導者の道を進むとすれば、その力量に注目したいと思います。