ヨーロッパチャンピオンズリーグ(CL)のクオーターファイナル第2戦の2試合が9日に行われました。

1戦のホームでの試合に30と圧勝していたレアル・マドリーは、熱狂的な応援のため、アウエーチームにとって地獄とまで呼ばれるガラタサライのホームスタジアムのテリコム・アリーナでの試合に臨みました。

しかし、3点のリードで余裕のあるレアルは、落ち着いた試合運びを見せました。

そして、早くも8分にクリスチアーノ・ロナウドがゴールを決めて、セミファイナル進出にさらに前進しました。

レアルは、前半の間は試合の主導権を握り続け、このまま余裕で4強入りを決めるかに思えました。

しかし、後半にホームの熱狂的な応援に後押しされたガラタサライに思わぬ反撃を受けることになりました。

後半11分にこの試合の同点ゴールを許すと、66分にはスナイデル、67分にはドログバに相次いでゴールを許して、合計スコアを43とされてしまいました。

この時点で残り時間は20分以上ありましたので、奇跡の逆転もありうるとさえ思われました。

それだけホームスタジアムの熱狂に後押しされたガラタサライには勢いがありました。

やはり「アウエーチームにとっての地獄」は本物だったと思わせました。

しかし、ガラタサライは3点目以降はゴールを割ることができませんでした。

しかし、レアルはアルベロアが試合終了間際に立て続けに警告を受けて退場となり、数的不利を背負うことになりました。

残り時間はほとんどなく、ガラタサライは同点に追いついただけではアウエーゴールの差で逆転できない状況でしたが、何が起きるか分からない状況には変わりはありませんでした。

しかし、ゴールを決めたのはレアルでした。

クリスチアーノ・ロナウドがこの試合2点目のゴールを決めて、ガラタサライの勢いを止めました。

こうして、セミファイナル進出を決めたレアルですが、予想外の苦戦を強いられたのは紛れもない事実です。

やはり、テリコム・アレーナは、アウエーチームにとっては「地獄」のようです。

もう1試合のボルシア・ドルトムントとマラガの対戦は、第1戦ではスコアレスドローに終わっていました。

とは言え、ドルトムントが押し気味でしたので、この試合ではホームということもあり、ドルトムントが優位に立つ可能性が高いと思われました。

しかし、先制したのはマラガでした。

25分にホアキンが鋭い切り返しでディフェンスをかわしてゴールネットを揺らしました。

マラガはアウエーゴールを取ったことで、この時点で点差以上に優位な立場に立ちました。

しかし、ドルトムントは前半のうちに同点に追い付きました。

それでも、このままでは敗退となってしまう状況は変わりません。

後半に入ると攻勢を強めましたが、どうしても得点することはできませんでした。

逆に37分にマラガに勝ち越しゴールを許してしまいました。

これで試合の行方は決したかに見えましたが、ドルトムントはアディショナルタイムに同点ゴールを決め、直後に起死回生の勝ち越しゴールまで決めてしまいました。

こうして、試合は劇的な幕切れとなり、ドルトムントが15期ぶりのセミファイナル進出を決め、初出場で善戦したマラガは、惜しいところで4強進出を逃してしまいました。

しかし、ドルトムントの同点ゴールと勝ち越しゴールはオフサイドの疑いがあり、マラガは納得せずUEFAに抗議文を提出したということです。

この試合では、マラガの2点目もオフサイドではなかったかという疑念が持たれており、審判の質を問う声まで出ています。

この日の試合は2試合ともCLにふさわしい好ゲームとなりました。レアルがこの日の試合には敗れたことや、マラガが後一歩でセミファイナル進出というところまで善戦したことは、ビッグクラブが独占してきたCLの優勝争いの構図が変わりつつあることを示すものと言えます。

来季以降この傾向がさらに進むことを期待したいと思います。