ヨーロッパ各国リーグは、残り10試合余りとなりましたが、ここに来てディフェンディングチャンピオンが地力を発揮し始めて、優勝争いが白熱し始めています。

特に、スペインとイングランドでこの傾向が顕著です。

スペイン・リーガ・エスパニョーラでは、レアル・マドリーが首位を走り、王者バルセロナに一時は10ポイント差を付けていました。

しかし、ここにきて、レアルが引き分け続きで勝ち点を伸ばせずにいる間に、その差は6ポイント差にまで縮まりました。

10ポイント差になったときは、バルセロナの選手や関係者から、優勝をあきらめたと言ったコメントが相次ぎましたが、6ポイント差なら、射程内だと考えていると思われます。

グラウディオラ監督は6ポイント差でもまだ逆転は難しいと慎重な姿勢を崩してはいませんが、逆転優勝を見据え出したと思われます。

特に今はレアルの勢いが明らかに落ちていますから、6ポイント差がなくなるのにそんなに時間はかからないかもしれません。

レアルは、前節の試合でも、今シーズンは下位に沈んでいるビジャレアルを相手に、モウリーニョ監督をはじめ4人の退場者を出して、11で引き分けています。

この試合は、明らかにレアルの勢いが落ちていることと、思うようにならないことへのいら立ちが見える試合でした。

首位にいるとはいえ、バルセロナのように安定したスタイルを持つ訳ではないため、一旦歯車が狂いだすと脆い面は否めないことをレアルの関係者は分かっていて、それが故の焦りが出始めているのかもしれません。

一方のバルセロナは、メッシが先日ゴール数でクラブの歴代最高となるなど絶好調で、シャビ、イニエスタ、セスクらを中心とする中盤も盤石であるため、大崩れはしそうにありません。

この点は、個人の能力に頼りがちで選手の調子に左右されるレアルとは対照的です。

したがって、レアルは6ポイント差では優勝を確信することはできないでいるはずです。

4月には、バルセロナのホームでエル・クラシコも控えていますから、いまやバルセロナの方が優位に立ったとさえ言えるのではないかと思います。

イングランド・プレミアリーグでは、シーズン序盤から首位に立ち、悲願の優勝に向けて突き進んでいるかに見えたマンチェスター・シティの勢いに陰りが見え、マンチェスター・ユナイテッドにかわされてしまいました。

1ポイント差ですから、優勝が困難になった訳ではありませんが、両チームの安定感を見ると再逆転と言うより、差が広がる可能性の方が高いと思われます。

今シーズンは、ヨーロッパの舞台では不本意な成績に終わった両クラブだけに、国内のタイトルへの執着は例年以上だと思われますが、ここにきて、チームとしての成熟度に差が出ているように思われますので、マンチェスター・シティが踏ん張れるかどうかが注目されます。

両リーグともに優勝は2チームに絞られたと言えますし、互いにライバル心の強いクラブ同士ですから、優勝争いはますますヒートアップしていくものと思われます。

どのような結末を迎えるのか、楽しみです。