ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本VSカタール戦が10日に行われました。
結果は1対1のドローとなり、カタールは3位の可能性が消え、日本は最終予選のホームでの最終戦を勝利で飾ることができず、
両チームにとっては後味の悪い試合となってしまいました。
この試合の日本は、ウズベキスタン戦でレッドカードを受けた長谷部が出場停止となり、遠藤と長友が怪我で出場できませんでした。
そのため、ボランチが阿部と橋本というレギュラーとは全く違うコンビとなりましたが、その他はベストメンバーとそれほど変わらないメンバーで試合に臨みました。
そして、最初のチャンスでゴールを決め、楽勝ムードがただよいました。
しかし、後のないカタールの猛攻に遭い、その後はホームでありながら守勢に回ることが多く、後半にはディフェンスのミスからPKを与えてしまい、これを決められて同点に追いつかれてしまいました。
その後も、なんとか勝ち越しゴールを決めて3位の望みを繋ぎたいカタールが、終始押し気味に試合を進めました。
結局カタールは勝ち越しゴールを奪うことはできず、試合は引き分けで終わりました。
日本は、W杯出場を既に決めているため、この試合へのモチベーションが下がっていたことは否めないと思いますが、アジアを代表してW杯に出場するチームには見えませんでした。
キリンカップで圧勝したことで自信を深めたはずでしたが、最終予選の2試合は、キリンカップと同じチームとは思えないほどの低調なパフォーマンスしかできませんでした。
その原因として、自分たちのイメージするようなパスサッカーができないと、それを打開することができないことを指摘する声を多く聞きます。
僕もその通りだと思います。
要するに、以前から指摘しているように、激しいプレスをかけられたり、相手に攻勢に出られて受け身に回ると、自分たちのリズムで試合している時とは同じチームとは思えないほどもろさばかりを露呈してしまうということです。
日本がショートパスを多用することは、既に対戦相手に周知されていることですから、当然プレスをかけてパスカットを狙ってきます。
アジア最終予選でさえそのような相手の戦術を打開することができなかったのですから、数段レベルの高いW杯では、前回同様歯がたたないということになります。
後1年でどのように改善していくのか岡田監督にはかなり難しい仕事が待っていると言えるでしょう。
それができなければ、ベスト4どころか、1勝することも難しくなります。
元からベスト4というのは理想に過ぎず、それを本気で信じている人はほとんどいないと思います。
確かに、2002年の日韓大会の韓国とトルコや、1994年のアメリカ大会のブルガリアのように、予想もしていないチームがベスト4まで勝ち進むことはあります。
しかし、今の日本ではそのような実力はないと認めざるを得ません。
そのことは、先日の試合で日本の試合を目の当たりにした、カタールのフランス人監督のメツ氏も明確に指摘しています。
その理由としてメツ監督が挙げたのも、やはりプレスをかけられた時のもろさでした。
世界レベルを知るフランス人監督のこの指摘を重く受け止めるべきでしょう。
そして、ベスト4は無理でも、決勝トーナメントに進出できるようなチームになってほしいと思います。
10日に行われたこの他の試合の結果、グループ1では、バーレーンがオーストラリアに敗れたため、試合のなかったウズベキスタンに僅かながら3位の可能性が残りました。
そしてグループ2では、サウジアラビアが韓国と引き分け、イランがUAEに辛勝したため、勝ち点差1の中に3チームがひしめく大混戦となりました。
最終節のサウジアラビアと北朝鮮の試合が、W杯出場をかけた大一番ということになりますが、この試合が引き分けに終わった場合、イランにも2位のチャンスが大いにあります。
しかし、最下位のUAE相手にホームで1点しか取れずに、かろうじて勝ったイランが、首位韓国に勝つことはかなり難しいと思います。
サウジアラビアも今はかつてのような強さはありませんから、北朝鮮にもチャンスは十分あると思います。
北朝鮮には引き分けでも、得失点差でサウジアラビアを上回ることができるというアドバンテージもあります。
このように、グループ2はどのような結果になるか全く予想もつかないので、17日が楽しみです。