スウィーニー・トッド

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suini
楽しみにしていました。何しろ好きな市村正親さんと、一度は観てみたかった天才的な女優大竹しのぶさん、なんとなく好きな宮本亜門さん演出と、豪華なコラボレーション。これだけでも食指が動きますが、実話に基づいたホラーのような話。私はホラーは嫌いですが、この実話というのが大事。本当のことというだけで、急に観たくなります。ただ、実際は実話らしいというだけで、どうもはっきりしません。理髪師が復讐心から人を殺すところまでは理解できても、人肉のパイを本当に売っていたのだとしたらそれは凄すぎます。19世紀ってそんなに昔ではないだけに、かなり理解を超えています。


楽しみにしていたわりに、半年くらい前からチケットをとっていたので、年が明けてちょっと忘れかけていました。芝居やコンサートを観に行くのは本当に大変です。


『スウィーニー・トッド』  宮本亜門演出 市村正親/大竹しのぶ主演 於:日生劇場


舞台は19世紀のロンドン。好色なタービン判事(立川三貴)に妻に横恋慕され、無実の罪でシドニーに島流しにされた床屋・スウィーニー・トッド(市村正親)は、15年ぶりに脱獄。ロンドンに戻ってくる。ところが妻は自殺したと噂され、当時小さかった娘ジョアンナ(ソニン)は、当のタービンに軟禁されている。すっかり様相を変えていた街だが、唯一当時の床屋の1階にあったパイ屋は健在。女主人のミセス・ラヴェット(大竹しのぶ)は変わらずパイを焼いていた。しかし肉が高くて買えず、そのパイはロンドン一まずいと評判で客はさっぱり入っていない。再び2階でタービンとその片腕の小役人に復讐するために、ラヴェットの助けで店を始めるトッド。その復讐とは、床屋に客として彼らをおびき寄せ、彼らを刺殺すること…。ところが彼の過去を疑う人たちが次々と現れ、ターゲットの2人を殺す前に、多くの連続殺人を犯してしまう。死体の処理に困ったトッドとラヴェットは、その人肉をひき、パイの肉とすることを思いつく。その肉はおいしく、もともと腕は良かった床屋だけでなく、パイ屋も大評判になる。怪しげな脇役は、浮浪者の女。この女は二人の秘密を知っている風だが、常にラヴェットが施しをせずに追い返す。実はこの浮浪者が何者かはすぐにわかるが、ここにはこれ以上は書かないけど…。


ストーリーは決して難しくないのですが、第一幕、特に冒頭から群集役の人たちがよく歌うので、ストーリーをわかりにくくしています。台詞に曲をつけると、ソロでもわかりにくいことがありますが、多人数だとどんどんわからなくなります。無理にミュージカルらしい華やかさを演出する必要はなかったのでは?と思います。ただ、確かに全体に暗い話なので、途中少し眠気が襲うことも確か。そのために華を添えたのでしょうが、少人数でじっくり演じる場面の方が引き込まれて、眠気を覚ましました。


ところで大竹しのぶさん。怪演です。正直ミュージカル俳優である市村正親さんがかすむほどです。彼女はやはり凄い。この芝居はミュージカルであることを殊更意識して演じない方が良いのかもしれません。そしていつも意外にうまいと思うのが武田真治さん。今回も脇役だけれどキーパーソンを見事に演じきっていました。ずっと誰だかもわかりませんでした。小役人役の斎藤暁は出てきた瞬間から、誰かわかりましたが、この人は舞台ではいまいちだな、と思いました。滑舌が良くないのか、ちょっと台詞がわかりにくい。映像向きなのかもしれません。

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