吉田 修一
女たちは二度遊ぶ
女の生態と男の心理をリアルに描く、
著者会心のイレブン・ストーリーズ。
…って帯に書いてある。

『女たちは二度遊ぶ』  吉田修一  角川書店
ちなみにこのブログは、観た映画や芝居、読んだ本の勝手な備忘録だが、最近書評は書いていなかった。ボチボチ本は読んでいたのだが、映画の感想を書くより面倒くさい。でも何読んだかも忘れてしまって、同じ本をまた買いかけたりするので、これまでのものも含めて遡って書いていこうと思う。

ところでこの作品、はっきり言ってタイトルで買った。
良かったのはタイトルだけだった。タイトルは大事だと改めて思う。

内容は冒頭の通りで11の短編だが、軽くてすぐ読めるので、暇つぶしにはいいと思う。
でもどうも男の描く、この手の短編に出てくる女は浅いというか、その女性の温度を感じない。その女がいくつで、どんな人生を歩んできて、何を考えているのか、書かれていること以上のプロファイルも感情も伝わってこない。
それぞれの話で男と女の関係性も希薄で、そこが今っぽくてオシャレでもあるのだが、男女どちらの痛みもうまく伝わってこない感じがする。何だか普通の話ばかりで、人間的に魅力的だなと思う人が出てこないのだ。短編なんて、そこが勝負だと思うのだけど、男性がこれを読めばちょっと違うのかな?実はこういう女たちが魅力的なのかなぁ~。

だからそれこそ、備忘録でも書かないと、1ヶ月もすれば本に書かれていた内容なんてすぐに忘れてしまいそう。