あまのじゃくだから私はあまりハリウッド映画が好きではない。だから最近の韓国ブームはこと映画に関しては歓迎だ。でももともとはヨーロッパ映画を結構観ていた。それでもさすがにアクション系はちょっとつらいなあ・・・と思っていたのだが「TAXi」だけは別だった。大好きで全シリーズも観ている(多分)。だから今回の「マルセイユ・ヴァイス」も期待していた。フランス映画でカーアクションや銃撃シーンが出てくる。でもフランス映画だから、単なるアクションだけじゃなくて底抜け感はないけれど知的なユーモアを感じられるかな?スタイリッシュな大人の男女の色気があるかな?「TAXi」がそれに見事に当てはまっているかというとちょっと自信がないが、「マルセイユ…」の方がキャスティングに期待できる。

『マルセイユ・ヴァイス』 ジル・パケ・ブレネル監督 11月13日(土)公開

多分疲れていたのだろう。ずっと睡眠時間が短かった。あるいは前座(?)のトミーとマツと変な日本人の水着のオネエチャンたちの寸劇のせいか、始まって15分ぐらいで眠気が襲ってきた。私だけかと思うと、隣の女性はしっかり眠っていた。どこが悪いのかと聞かれても困る。ただ冗長な感じ。笑いが起きないし、実際に笑う場所も少ない。じゃあ、スリリングかと言われればちょっと中途半端。ミステリーやサスペンスではないので、期待するのもおかしいが、犯人探し(身内の協力者という設定)もあまりにもありふれた設定で、わりと早めにわかるようになっている。お色気もあるという触れ込みで、確かに美しい女性も出ていたし、セクシーなシーンも時々あったが、すべて中途半端。マルセイユの景色が美しかったのが救いか?とにかくおいしそうなものをいっぱい詰め込んであるのだけど、詰め込みすぎて一つ一つの特徴が薄れている幕の内弁当みたいだった。だって映画のキャッチコピーが「スリル!お色気!!興奮!!!こんな南仏初めてだ!」だもの。ちょっと厳しい。ストーリーはタイプの違うカルロスとマックスという刑事がタッグを組んで、でかいヤマを追いかける。途中でカルロスにまであらぬ疑いがかけられたり、容疑者を拷問している途中に、弁護士を名乗る男に容疑者が殺されたり、本当になんでもあり。事件の真相に迫っていく過程もちょっとわかりにくかった。わからなかったわけではなくて(起きていたし)、時々ストーリーが分断されている感じがした。すぅーと続いていかない。複雑だとかそういうことではなくて、平坦な道に時々石が置かれているといった…。公開前なのにこれじゃ、ボロボロ?でも感じ方は人それぞれなので。私としては、救いはカルロス役のストーミー・バグジーがいい男だったことぐらいか?ジーナのアクションもかっこ良かったかな?生意気で動じない子供もいい味出していた。とにかく出ている人々と景色は美しかった。

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