『渋谷ではたらく学生社長の告白』(現状を変える)#2 | ひろしま滞在日記

『渋谷ではたらく学生社長の告白』(現状を変える)#2

~現状を変える~


 これから話すことは僕自身代表を務めてきた、第7回学生起業家選手権、そして株式会社大学スポーツチャンネルの活動である。

 しかし、その前に少しだけ大学1、2年の話をしたいと思う。なぜなら当時の生活がなければ今の活動はなかったと考えるからだ。

 大学へ入学してから3年のゼミが始まるまで、私は今と全く違う生活をしていた。実は、その生活を変えたいという気持ちがあったからこそ、大学3年から強い意志を持って活動することができた。

 もしかしたらこれから話をするように、現在の大学生も僕と同じような気持ちを持っている人がいるかもしれない。恐らくその理由はそれぞれ違うと思うが、僕自身がそうであったように『現状を変えたい』と考えている大学生は多くいると思う。

 しかし、現状を変えたいといざ思ってもなかなか変えるのが難しいと思う。なぜそうかと言うと、それはどのように今ある生活を変えればいいのかが分からないからだと思う。(最も僕がそうであった。)

 そこで、当時どのようなことから、その生活を変えたいと考え、どう行動したのか、僕の経験を少し話していこうと思う。起業の話とは直接関係ないため、少し面白みに欠けるかもしれないが、それが今いる大学生にとって何かのきっかけになればと思う。




『何かを変えたい』

 僕は入学から大学2年まで、ひたすら大学の授業を受け、勉強するような毎日だった。それ以外ではフィットネスクラブに通い、ある日はサッカーコーチとして小中学生を指導、ある日は友人と遊ぶような生活を送っていた。
 全くつまらない生活を送っていたというわけではなく、大学生活はある程度それなりに楽しく感じていた。しかし、大学2年目が終わりに近づく頃、自分の中でモヤモヤとした焦りのような気持ちを持つようになる。


                  「何かを変えたい」



 そうした思いを日に日に強く持つようになった。日々の生活に満足していないわけではない。けど何か釈然としない。


 そんな気持ちを持ったのには理由があった。




『大学生活1年目』

 僕は、青山学院高等部から推薦入学で青山学院大学国際政治経済学部に入学した。

 そのため受験勉強を経験していないことから、外部入学してくる学生は優秀なはずだ。だから彼らに負けないよう、大学ではしっかり勉強しようという気持ちで新しい生活を迎えた。

 そんな思いから、入学当初、サークル活動やアルバイトなどあれこれするのではなく、大学の授業を中心に生活をしようと意気込んでいた。

 そして実際、僕にとって大学の授業は高校の授業と比べて楽しかった。
 国際政治経済学部に所属していたため、語学、経済学など、自分が興味のある分野を学ぶことができた。そのため、勉強すれば勉強するほど、もっと知りたい、もっと勉強をしたいという思いを募らせていった。




『大学の授業に対する疑問』

 しかし、大学1年、2年と進んでいくうちに、その姿勢について少し疑問を感じるようになる。
 それは大学の授業で学んだことが、将来、社会の中において、どのくらい役に立つのかという疑問だった。

 授業を受けていると、一般常識などは、実際のニュースを見ていても理解の役に立つような実感があった。

 しかし一方で、大学の授業形態は、基本的に講義を聞くという一方的な受身であること。インプットするばかりで、自分から主体的に動き、アウトプットできる場が極めて少ないということを感じた。
 また専門的な話では、経済学は、理論上の経済とリアルな経済があまり一致しないということ。つまり、リアルでは有り得ない様々な仮定があってこそ経済モデルが成り立ち、この複雑な世界において、予想通りに経済が動くとはあまり言えないということがわかった。

 このようなことから、勉強すればするほど、『実生活において役に立つかのだろうか?』また、『今やっていることは本当に必要なことなのか?』と将来に不安を感じるようにもなっていた。

 数学が得意なこともあり、経済の授業自体は面白いと感じる一方、勉強すればするほど、このようなことを考え、釈然としない日々を送るようになっていった。




『変わるきっかけ』

 そんな思いを持った中、大学2年秋の暮、自分を変える一つのきっかけを得る。



                   「岩井ゼミ」



 大学3年時から始まるゼミの選考が始まり、僕は岩井ゼミの存在を知ることになった。

 岩井ゼミとは、学生が非常に主体的になって活動しているゼミである。学生自身でテーマを見つけ、そのテーマに沿って積極的に活動する。そして、個人もしくはチームで必ずアウトプットすること、また成果物を残すことが求められる。
 ここ数年の活動内容としては、様々なビジネスプランコンテストに出場、ギャッツビーの学生CM大賞、Stanford Technology Ventures Program主催の2009 Global Innovation Tournamentなどに応募してきた。
 このように、岩井ゼミは今まで受けてきた授業には全くない、とても実践的なことに挑戦できる環境がある。
 僕は、この主体的に挑戦できる環境に魅力を感じ、直感的に『正にこれだ!』と感じた。

 そして岩井ゼミに入ることを希望し、選考を受けた。




『変える』

 ひたすら大学1,2年で授業を受けるといった勉強をしてきた僕は、ゼミをきっかけに、現状そして自分を変えることができたと思う。
 そこでは新しい勉強の仕方も見つけることができた。それは大学の授業だけが勉強ではないということ。今思うと当たり前のことではあるが、当時はこれに気づくことができた。

 さらに僕が大きく変わったものの一つに『視野』がある。

 僕は、ビジネスという分野で、主体的に全力で取り組んできた。 

 大学の『授業』、ゼミから始まった『学生起業家選手権』、そして『株式会社大学スポーツチャンネル』の活動と、ビジネスに対する自分の活動の範囲が「学内→学外→社会」と、次第に広がっていった。

 つまり大学の授業を受けていただけの僕は、非常に世界が狭かった。しかしゼミをきっかけに、学外で活動する機会を得る。さらにそこからリアルなビジネスの世界へ飛び込み、徐々に自分のいる世界を広げることで、今まで見ることのできなかったものを沢山見ることができるようになった。

 起業することで、大変なことも沢山経験し、日々勉強の繰り返しであった。しかし、こうした経験をすることも、今までの自分では有り得なかった。

 広い世界で沢山のことを見て学ぶことができたのは、僕にとっての財産の一つだと思う。


 最後に、『何かを変えたい』と感じたら、そのためには『行動』することが最も大切だと思う。

 当然のことではあるが、とにかく行動しなければやはり何も変えることができない。
 やりたいと思ったことを見つけたら、それに対して全力で力を注ぐことが大切だと思う。
 
 その対象は、音楽、スポーツ、留学、旅行、ボランティア、イベント、ビジネスなど、自分が主体的にやりたいと思うことであれば何でもいいと僕は思う。

 そのようにして、様々な分野において、もっと主体的でやりたいことに打ち込んでいる学生が増え、彼らとどこかで繋がることができたら、もっともっと僕自身も楽くなるだろうなと思う。