ゾノさんの子守唄

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    昭和29年9月26日、台風15号が津軽海峡に日本史上最大の海難事故をもたらした。洞爺丸など青函連絡船5隻が沈没し、出した犠牲者は1430人。この惨事を二度と繰り返すまいと7年後、海底トンネルの建設は始まった。     
   全長53.85キロ。世界最長のトンネル工事は、のちに高倉健さん主演の映画「海峡」にも描かれたように異常出水の連続。新幹線を通すため最初から大口径で造ったことも要因となり、世紀の難工事となった。
   殉職者は34名。昭和63年3月13日、多くの工事関係者の死闘によって青函トンネルは開通した。上り一番列車「はつかり10号」のトンネル通過という本懐成就を彼らはどれ程待ち焦がれていたことだろう。
   あれから四半世紀余。その海底の動脈が新たな役割を担うこととなった。昨日、新青森駅と新函館北斗駅の約149キロ区間を新幹線「はやぶさ」が初通過。青函トンネルを通り、東京と北海道が最短4時間2分で結ばれた。
 ただ、地域住民にとっての悲願の開業を複雑な思いで迎える人がいるのも事実だ。航空機に対抗する「4時間の壁」を破れず、通常料金は割高だとして、空路との競争力を懸念しているのだ。
   それでも、九州から北海道まで、高速鉄道でつながる意義は大きい。人口減少や水産業など経済の基盤が揺れる函館で、注目度は高まっている。トンネル開通に命懸けで携わった人達の想いを決して無駄にしてはならない。本番はこれからだ。