監督：グレン・フィカーラ／ジョン・レクア
ｷｬｽﾄ：ウィル・スミス／マーゴット・ロビー／ロドリゴ・サントロ
配給：ワーナー・ブラザース
公開：2015年5月
時間：105分
今夜紹介するのは，言わずとしれた大御所ウィル・スミスと，“ハーレイ・クイン”や“バービー”になる前のマーゴット・ロビーが，華麗な騙しのテクニックと恋の駆け引きで魅せてくれる名作『フォーカス』。監督は前作『ラブ・アゲイン』(2011年・ワーナー)が好評だったグレン・フィカーラ＆ジョン・レクア。
視点(フォーカス)を操ることで相手を手玉にとる犯罪のプロ，ニッキー（ウィル・スミス）は，30人もの熟練詐欺師を束ね，カジノや高級ホテル，ストリート，フェスティバルなど様々な場所で，華麗な手さばきで大金を稼いでいた。そんなある日，ニューオーリンズで未熟な女詐欺師ジェス（マーゴット・ロビー）と出会ったニッキーは，彼女に最高の詐欺師になる可能性を見出し，犯罪のプロとしてノウハウを伝授する。しかしジェスがメキメキと上達していく中，２人は恋に落ち，やがて師弟関係を超えた関係となってしまう。恋愛は枷になり腕を鈍らせると考えたニッキーは，大きなヤマに勝った直後にジェスに大金を渡し，突然の別れを告げると，忽然と彼女のもとを去ってしまうのだった。
それから３年後，ニッキーはブエノスアイレスのモーターレース会場で一世一代のプロジェクトを仕掛けていた。そこに現れたのは，以前とは見違えるほど美しくゴージャスになったジェス。彼女はニッキーのライバルチームに属し，男を手玉に取る女詐欺師に成長していた。かつて愛したジェスの登場で揺れ動くニッキー。世界の大富豪を巻き込み騙し合いを繰り広げる２人。そしてやがて，ジェスの真の目的が明らかになるのだったが…。
大胆に披露されるのは，世界最高の天才スリ師の監修による“ダマしのテクニック”。その鮮やかさはもう感嘆に値する。そんなテクニックと並行して，見る者をダマす展開と構成。さらに後半には，シリアスな雰囲気を覗かせるロマンス。主張しすぎないのにどこか気になる共演者たちが作り出す“フォーカス・ワールド”も相まって，先読みすればするほどダマされる感覚が心地よい１本だ。
ｸﾀ評：★★★★☆
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