GANTZ PERFECT ANSWER | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:佐藤信介
キャスト:二宮和也/松山ケンイチ/吉高由里子
配給:東宝
公開:2011年4月
時間:141分




死の瞬間に召還されたバーチャルな世界で,主人公たちは邪悪な異形の生き物を倒す戦いを強いられる。そんな初期設定さえ受け入れることができれば,次第に生きる力を呼び覚ます人間ドラマとして,またバトルアクションとして,前作は均衡を保っていた。そしてその3ヶ月後に公開された完結篇は,原作から遠く離れた展開を見せてゆく。

舞台は,加藤(松山ケンイチ)が死んだ東京国立博物館の事件から5ヶ月後。玄野(二宮和也)は,加藤の弟・歩(千阪健介)の面倒を見ながらアルバイトに精を出す毎日。同級生の多恵(吉高由里子)との距離も少しずつ縮まっていた。ガンツの世界でも玄野は,なるべく仲間を犠牲にしない戦い方を身につけ,加藤の復活に向けて着々と点数を重ねていた。

一方,トップモデルで女優の鮎川映莉子(伊藤歩)は,小さなガンツの球体・ガンツボールから半催眠状態にかけられ,命じられた人物を殺し,ガンツの元へと送っていた。ガンツの謎を追う重田(山田孝之)は,鮎川の不審な行動に気付き,彼女をマークしつつ,死んだはずなのに生き返った人間の情報をネタに,壹(綾野剛)率いる黒服軍団に接触していた。

ある日,玄野が自宅に帰ると,そこには加藤の姿が。以前と違った様子の加藤は「ガンツを終わらせたい」と呟いて立ち去る。衝撃を受けた玄野はガンツの死者のリストを呼び出すが,加藤はリストから消えたわけではなかった。困惑を隠せないまま,玄野は次のターゲットである“黒服星人”のもとへと転送される。

戦いの舞台は,地下鉄の車内。普通の客も乗車している状況にガンツの異常を感じ取り,一同に緊張が走る。その電車には,ガンツボールの指令を受けて多恵を狙っている鮎川と,鮎川を追う黒服,そして重田も乗車していた。玄野たちが乗っていることに気付いた黒服たちは車内で発砲。一般客が次々と犠牲になる中,激しい戦闘が始まる。煙のような身体を持ち,自在に刀を生み出すことのできる黒服たちに,一同は苦戦。電車に多恵が乗っていることに気付いた玄野は彼女を救おうとするが,多恵を狙って壹も現れる。何とか壹を倒した玄野だが,壹は死ぬ間際「戦いを先に仕掛けたのはガンツの方で,自分たちは仲間を倒された復讐をしているだけだ」と口にする。

ようやく電車が駅に到着。混乱する現場を去ろうとする鮎川の前に現れた加藤は彼女を殺害し,鮎川もガンツのもとに送られてくる。実は鮎川と,彼女の手でガンツのもとに送られたメンバーたちは,2年前に100点を獲得し,現実世界に戻った“卒業生”だった。ガンツの“100てんめにゅ~”で加藤を生き返らせる鈴木(田口トモロヲ)。目の前に現れた加藤を“本物”だと確信する玄野。では,現実世界に潜り込んでいる加藤は一体誰なのか?

自分の獲得した100点で西(本郷奏多)を生き返らせた玄野は,今度こそ全員で元の世界に戻る決意を新たにする。そこにガンツから緊急ミッションが下される。ターゲットは何と多恵。彼女を倒せば,一気に100点が獲得できるというのだ。多恵は星人ではないとメンバーを説得する玄野だが,ガンツの命令は絶対だと聞く耳を持たない一同。転送された玄野は多恵を連れて逃げようとするが,2人を偽物の加藤=加藤星人も追ってくるのだった…。

整理して見てもらえるように,ストーリーを詳しめに書いたが,この後に,まだまだ予想のできない展開が待ち受けるので,ぜひ自分の目で確かめてほしい。

見どころは,地下鉄と市街地でのスピーディーなバトル。しかし映画版の独自性にこだわったせいか,ガンツの異常と復讐の連鎖を核にした展開は,多数のキャラクターの関係性や様々な設定への「PERFECT ANSWER」を描ききれているとは思えない。美しくまとめられてはいるが,何だかスッキリしないエンディングに,どうしても残念さを感じてしまう。


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

GANTZ』(2011年)