君の膵臓をたべたい | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:月川翔
キャスト:浜辺美波/北村匠海/大友花恋
配給:東宝
公開:2017年7月
時間:115分




中国には古来から「同物同治」という言葉がある。これは体の中の不調な部分を治すには,調子の悪い場所と同じものを食べるのが良いという考え方で,例えば肝臓の悪いときには牛・豚・鶏などの肝臓(レバー)を,胃の病気のときは胃(ガツ)を,心臓が悪いときは心臓(ハツ)を,腎臓疾患のときは腎臓(マメ)を食べると,回復に役立つとされていた。

原作は,ベストセラーとなった住野よるのデビュー作。本屋大賞2016では第2位を獲得している。ホラーかと思わせるセンセーショナルなタイトルは,実はこの「同物同治」に由来するもので,分類としては恋愛小説。実写化に際しても月川翔監督×脚本・吉田智子という“青春映画布陣”だったので劇場公開時はスルーしたのだが,春にソフトを入手してから,何度も繰り返して見るほど好きな1本となった。

早くも19日に地上波放送が決定。また,9月1日から劇場版アニメも公開されるというので,予定を前倒しして今夜はこの作品を紹介しようと思う。

高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となっていた〈僕〉(小栗旬)は,教え子の栗山(森下大地)と話すうちに,桜良と過ごした数ヶ月の思い出をよみがえらせていく。

12年前,高校で図書委員をしていた地味な〈僕〉(北村匠海)は,病院で『共病文庫』と名付けられた闘病日記を偶然拾ったことで,その日記を書いている人気者のクラスメイト・桜良の秘密を知ってしまう。彼女は見た目には分からないが,重い膵臓の病気を患い,余命わずかだったのだ。それは,親友の恭子(大友花恋)さえ知らない秘密だった。家族以外は誰も知らない秘密を共有した桜良と〈僕〉は急速に距離を縮め,次第にクラスでも噂の的になっていくのだったが…。

原作にはない12年後の世界を視点にして描くことで,“青春モノ”や“余命モノ”というだけでない“物語の奥深さ”がプラスされ,若者だけでなく,幅広い年齢層の琴線に触れるストーリーに仕上がっている。むしろ,齢を重ねてこそ判る“今という時の大切さ”と“時を経た想い”を感じ取ることができるのではないだろうか。

「君の膵臓をたべたい」という台詞が,物語の進行にそって微妙に意味を変えてゆくのがまた,じんわりと涙腺を緩めてゆく。

個人的には地元福岡ロケも嬉しい。共演は他に,上地雄輔,北川景子など。なお,月川翔監督の最新作『センセイ君主』が現在公開中。


映画クタ評:★★★★


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『君の膵臓をたべたい』
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