キャスト:仲間由紀恵/阿部寛/生瀬勝久
配給:東宝
公開:2014年1月
時間:112分
『霊能力者バトルロイヤル』の4年後に公開された劇場版第4弾。テレビ朝日開局55周年記念作品であるとともに,2000年に深夜ドラマ枠で始まって以来14年に渡ったシリーズの完結編となった。インタビューで「14年といえば,小学1年生が成人する時間」と語っていた阿部寛。ずっと同じテンションとキャラを通した山田奈緒子と上田次郎。そして,14年で本格俳優としての成長し,様々な役柄で“トリック”を見せてくれるようになった仲間由紀恵と阿部寛に感謝のラストステージ。
ある日,天才物理学者・上田次郎(阿部寛)のもとに,村上商事の加賀美慎一(東山紀之)からある依頼が持ち込まれる。それは,村上商事が進めている赤道スンガイ共和国でのレアアース採掘事業に伴う現地住民の立ち退きを,“ボノイズンミ”と呼ばれる呪術師が扇動し拒んでいるというのだ。超常現象解明で知られる上田に“ボノイズンミ”の霊能力のトリックを暴いてもらい,科学の力で現地住民の目を覚まさせて欲しいというのだ。上田は,テレビのどっきり番組で騙されて恥をかき,アパートの家賃を滞納して追い詰められていた自称超売れっ子天才美人マジシャンの山田奈緒子(仲間由紀恵)を旅に同行させることにした。
一行はスンガイ共和国に到着し,おかまの医師・谷岡(北村一輝)らと合流し船で川を上り奥地へと向かう。その途中,突然,背中の発疹で苦しむ上田。目的地のムッシュム・ラー村奥地のヤー村に着くと,呪術師ボノイズンミ(水原希子)は不思議な力で上田の病気を治してしまう。一方,なぜか事件の捜査ということで,日本から矢部(生瀬勝久)たちも派遣されて来る。ただならぬ気配を感じ,長野で心配する奈緒子の母・里見(野際陽子)。相次ぐ変死と呪術師というシリーズ最大の謎が,奈緒子と上田の前に立ちはだかるのだった…。
シリーズを追う程に,俳優としてステヅプアップしてきた仲間由紀恵と阿部寛,そして長年テレビや映画で活躍し,今年6月に急逝した野際陽子の“卒業式”。ファンなら誰しもエンドロール中の14年の名シーンに胸が熱くなり,鬼束ちひろの『月光』の後,上田と同じようにウルウルするはず。
ちなみに,物語中で人差し指で人を差す行為は相手を侮辱するとあるが,これはフィクションでなく,実際にロケ地マレーシアでは人差し指で人を差してはいけない。奈緒子のキメ台詞も,今作では親指を相手に向けて言われる。
「お前達のやったことは,東西南北,赤道直下,天地無用,ひとつ残らず宇宙の果てまで全部,お見通しだ!」
クタ評:★★★★☆
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北村一輝作品まとめ
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◆シリーズ一覧◆
『トリック -劇場版-』(2002年)
『トリック -劇場版2-』(2006年)
『劇場版TRICK/霊能力者バトルロイヤル』(2010年)