無限の住人 | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Blade of the Immortal
監督:三池崇史
キャスト:木村拓哉/杉咲花/福士蒼汰
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2017年4月
時間:141分




今夜はGWの邦画話題作“むげにん”を紹介。『月刊アフタヌーン』で20年に渡り連載された沙村広明のマンガを,三池崇史監督×木村拓哉主演で実写映画化した時代劇アクション大作。三池監督にとっては63本目の監督作品となる。

かつて妹を目の前で惨殺された凄腕の侍・万次(木村拓哉)は,謎の老婆・八百比丘尼(山本陽子)によって体内に“血仙蟲(けっせんちゅう)”を宿され,不死の身体にされてしまう。以来,生きる意味を持たないまま50年もの間,死ぬことも老いることもできずにただ“無限の体”として孤独に生き続けていた。

無天一流を受け継ぐ浅野道場の一人娘・凜(杉咲花)。両親を殺され復讐を誓う彼女は,そんな万次の存在を知り,どうにか見つけ出すと,敵討ちの用心棒を依頼する。一度は断るが,妹の面影を残す凜の懇願に,万次はその願いを聞き入れる。しかし相手は,最強の剣客集団を率いる逸刀流の統主・天津影久(福士蒼汰)。すべての流派の頂点に君臨しようと江戸中の道場を冷酷非情に潰していく,あまりにも危険な男だった…。

『無限の住人』というタイトルに,次々と新作や新境地に挑み続ける三池監督の姿と,SMAP解散後もスーパーアイドルとしてまだ誰も踏み入れたことのない領域へと独りで歩む木村拓哉の姿が重なる。特に“三池組”初参加のキムタクのフッ切れた迫力は,この作品の見どころ。過酷なシーンの連続で右膝靭帯を損傷しながら臨んだという冒頭の“100人斬り”をはじめ,随所に映る鬼気迫るキムタクの表情が,次のステップを見据えた意思を感じさせる。

脇を固めるのは,市原隼人,戸田恵梨香,北村一輝,栗山千明,市川海老蔵,田中泯,山﨑努など豪華キャスト。腕は飛ぶし足も飛ぶ,血仙蟲もちょいグロと“三池監督の得意技満載”なので,心臓の弱めな方にはお薦めできないが,“アンチ・キムタク”でも引き込ませるパワーを持つ,個人的にはGWイチオシとなった1本。