海賊とよばれた男 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:山崎貴
キャスト:岡田准一/吉岡秀隆/染谷将太
配給:東宝
公開:2016年12月
時間:145分




2013年度本屋大賞第1位を獲得した百田尚樹の同名ベストセラー小説を,同じく百田原作の『永遠の0』(2013年・東宝)を大ヒットさせた岡田准一主演×山崎貴監督のタッグで映画化。出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにしたといわれる主人公・国岡鐵造の生きざまが,画面いっぱいにほとばしる。

原作は上下巻からなる長編。先に観た友人から「原作を読んでれば判り易いだろうけど,ダイジェストのスピードに戸惑うかも」と聞いていたが,回想を挟みながらの展開は,確かに時代・年齢表示を見落とすと,ついていけなくなるかも。でも,鐵造の60歳→27歳→32歳→57歳→62歳→65歳→96歳と展開する物語を,置いていかれないように集中して観ると,原作未読でも充分に楽しめる。

主要燃料が石炭だった当時から,石油の将来性を予感していた若き日の国岡鐡造(岡田准一)は,北九州・門司で石油業に乗り出すが,その前には国内の販売業者,欧米の石油会社(石油メジャー)など,常に様々な壁が立ち塞がり,行く手を阻む。しかし,鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず,それまでの常識を覆す奇想天外な発想と,型破りの行動力,何よりも自らの店員(=部下)を大切にするその愛情で,新たな道を切り拓いていった。

そんな鐡造の姿は,敗戦後の日本において,さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。そしてついに,敗戦の悲嘆にくれる日本人に大きな衝撃を与える “事件”が発生する。石油メジャーから敵視され,圧倒的な包囲網により全ての石油輸入ルートを封鎖された国岡鐡造が,唯一保有する巨大タンカー“日承丸”を,秘密裏にイランに派遣するという“狂気”の行動に打って出たのだった。

イランの石油を直接輸入することは,イランを牛耳るイギリスを完全に敵に回すこと。しかし,イギリスの圧力により貧困にあえぐイランの現状と自らを重ね合わせた鐡造は,店員の反対を押し切り,石油メジャーと最大の戦いに臨む。果たして,日承丸は英国艦隊の目をかいくぐり,無事に日本に帰還することができるのか? そして,国岡鐡造は,なぜ“海賊”とよばれたのか? その答えが,明らかになる…。

本編の半分以上を占める60代のメイクには,毎回3時間を要したという岡田准一。白組を中心とするCGやVFXも自然で,ストーリーを遮らない。吉岡秀隆,染谷将太,鈴木亮平,堤真一,綾瀬はるか,小林薫,近藤正臣,國村隼,黒木華など豪華キャストの共演も見どころ。


映画クタ評:★★★★


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