ヤッターマン | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:三池崇史
キャスト:櫻井翔/福田沙紀/深田恭子
配給:松竹/日活
公開:2009年3月
時間:111分




『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』のTVアニメが放送されていたのは1977年から2年間。平均視聴率は20.1%と,タツノコプロ制作のアニメの中で最も高い数字を残している。ヤッターワンの玩具は出荷数120万個を超える人気ぶりだったとか。キャラクターデザインには,その後ファイナルファンタジーシリーズで世界的に有名になったイラストレーターの天野喜孝も名を連ねていた。企画から撮影まで社内のみで完結する一貫した制作体制で,数多くのヒットアニメを送り出したタツノコプロの代表作とも言えるこの作品を,放送から30年を経て実写化したのが,多作の奇才・三池崇史監督。

高田玩具店のひとり息子ガンちゃん(櫻井翔)は,父の発案した犬型の巨大ロボット,ヤッターワンを完成させる。そしてガールフレンドの愛ちゃん(福田沙紀)と共に愛と正義のヒーロー“ヤッターマン1号・2号”に変身し,4つ全部集めると願いが叶うという伝説のドクロストーンをめぐってドロンジョ(深田恭子),ボヤッキー(生瀬勝久),トンズラー(ケンドーコバヤシ)の“ドロンボー一味”と熾烈な争奪戦を展開していた。そんな中,ガンちゃんと愛ちゃんは考古学者・海江田博士(阿部サダヲ)の娘・翔子(岡本杏理)の依頼で博士の捜索を手伝うことに。博士はドクロストーンの1つを手に入れると翔子に預け,2つ目を探す旅に出たまま消息が途絶えていた。

2つ目のドクロストーンをオジプトの遺跡で発見し,ドロンボー達との激戦の末,手に入れたヤッターマンたち。その頃,世界では様々な場所からいろいろな物が消え始める異変が起き始める。この異変にはドクロストーンが関係し,そのすべてが集まると時間の流れが狂い,地球そのものが消えてしまうかもしれないと分析したオモッチャマ(声:たかはし智秋)も,突如消えてしまう。ヤッターマンたちは,ドクロベエ(声:滝口順平)の計画を阻止し,地球の危機を救うため,翔子と共に4つ目のドクロストーンがあるという南ハルプスへ向かうのだった…。

『みなしごハッチ』の銅像“ハッチ公”のある,遊び心たっぷりな渋“山”駅前でのオープニング・バトルから伝わる三池監督のオリジナルへのリスペクトと気合い。それは“お約束”の繰り返しや,シリーズ3話分+αという構成や,忠実に再現されたヤッターワンなどのメカからも伺える。「子供の頃に見た『ヤッターマン』の感じを,限りなく再現したかった」と語っていた監督の徹底したこだわりの映像世界で,生き生きとキャラになりきる役者たちの様子が,頼もしく楽しく映る。

ある意味“昭和”の勢いと面白さを象徴する作品。「くだらな~い」とツッコミを入れたり,懐かしんだりしながら,存分に味わっちゃって♪


映画クタ評:★★★★


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