踊る大捜査線 THE FINAL／新たなる希望

監督：本広克行
ｷｬｽﾄ：織田裕二／深津絵里／ユースケ・サンタマリア
配給：東宝
公開：2012年9月
時間：126分

1997年，サラリーマンから転職した刑事が主人公という異色ドラマに始まり，スピンオフ作品も含めると全６作の劇場版が公開。“高視聴率ドラマの映画化”というヒットの方程式を築き，シリーズ累計興収487.6億円という国民的大ヒットを記録した15年に渡る人気シリーズの最終作。『ヤツらを解放せよ!』からずっと，キャスティング的には〈踊る祭り〉な感があったけど，応援し，見続けてきたファンの中にモヤモヤのままになっていた「青島と恩田の関係」，そして「青島と室井の約束」をスッキリさせてくれるための，祭りの最後を飾る打ち上げ花火♪

湾岸署管内で国際環境エネルギーサミットが開催され，湾岸署署員たちが警備に駆り出されている中，誘拐事件が発生。その数時間後には被害者が射殺体で発見される。しかも犯行に使われた拳銃は，警察が押収したものだった。警察の関与が疑われる事態に，すべての捜査情報は鳥飼管理官（小栗旬）のもとに集められ，所轄捜査員には一切開示されないという異例の捜査体制が採られることに。そんな中で発生した第２の殺人事件が，青島（織田裕二）をさらに窮地に追い込む。それでも懸命に捜査を続ける青島に，“真下（ユースケ・サンタマリア）の息子が誘拐された”という最悪の知らせがもたらされる…。

オープニングの青島＆恩田（深津絵里）の唐揚げ屋（ロケ地：佐竹商店街）も，署に帰って来た時の車のナンバーが「298（肉屋）」ってのも，その後ろで電気パトカーのセールスをしてるのが『湾岸署史上最悪の3日間!』で副総監を誘拐した坂下（北山雅康）の更生した姿だってのも，国際環境エネルギーサミット会場の警備員（武野功雄）がドラマシリーズ最終回のイメクラ店の店長だってのも，「これは俺たちの事件だ！」って青島のキメ台詞も，突然ヤバい倒れ方をする青島も，すみれさんが突っ込んだバスのナンバーが「877（バナナ）」だってのも，この大分行のバスの運転手が実は『交渉人真下正義』でクモを写メってクビになり『ヤツらを解放せよ!』でバスジャックされた運転手だったってのも，青島が鳥飼に言った「正義ってのは胸に秘めとくくらいがいいんだ」って和久さんから継承された言葉も，室井が青島と別れ際に言った「おじまげな」が「格好つけるな」の意味だってことも，その後みんなに向かって「（青島の）あの背中を見てろ。俺は教えられた」と語り出し「組織の中で生きる人間こそ信念が必要だと」って教えも…すべてが打ち上げられた『踊る』が大輪の花に描いた色。

最終作のビッグゲストとして久瀬を演じた香取慎吾。エンドロールに「小林すすむさんの思い出とともに」とメッセージ…。

書き足りないけどこんな感じ。ドラマシリーズからプロデューサーを務めた亀山千広は，この作品の公開翌年にフジテレビ社長になっちゃいました。