容疑者 室井慎次 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:君塚良一
キャスト:柳葉敏郎/田中麗奈/哀川翔
配給:東宝
公開:2005年8月
時間:117分




交渉人 真下正義』に続くスピンオフ企画第2弾として室井さんを主役に劇場版を作ると知った時は驚いた。真下のキャラならまだしも,室井さんのキャラで観客動員ができるのか? って,余計な心配をした記憶がある。

2005年2月。警視庁の室井管理官(柳葉敏郎)が,自ら指揮を執った殺人事件の捜査が問題となり逮捕されるという思いがけない事態が発生する。逃走中に車にはねられ即死した被疑者の母親が,過剰な取り調べがあったとして刑事告発したのだった。警察の不正を暴くと意気込み追及の手をゆるめない灰島弁護士(八嶋智人)によって室井は窮地に追い込まれていく。さらに,この逮捕劇の裏には池神警察庁次長(津嘉山正種)と安住警視庁副総監(大和田伸也)の間での次期警察庁長官の座を巡る醜い派閥争いが隠されていた。事件の真相を探ろうとする室井の前に身内の権力闘争が立ちふさがり,彼の勇気は消え去ろうとしていた。そんな室井の弁護に当たることになったのは,津田誠吾(柄本明)の法律事務所で働く若き女性弁護士・小原久美子(田中麗奈)。はじめは,決して多くを語ろうとしない室井の態度に戸惑いと苛立ちを覚えた久美子も,徐々に室井の心を理解していくのだったが…。

『踊る』シリーズの脚本を手掛けてきた君塚良一が唯一自ら監督も務めた作品。シリーズの他作品とは明らかに違うハードなタッチだが,決して見る者を飽きさせないのは,警察庁と警視庁との対立に巻き込まれて追い詰められていく室井と,その秘められた過去に映る真っ直ぐさ。主役を凌ぐヒロイン弁護士・小原のひたむきさ。憎まれキャラとして相対する灰島。新宿北署の工藤(哀川翔)をはじめとする現場の刑事たち,そして見守り支える津田,新城(筧利夫),沖田(真矢みき)。これら個性的なキャラそれぞれの“不器用さ”がキチンと描かれていて,愛しいほどに人間臭いからだろう。

灰島についてはこの作品を見た後にスピンオフドラマ『弁護士 灰島秀樹』(フジテレビ)のソフトを見ると,この事件後の彼と,隠された内面に触れることができる。


映画クタ評:★★★★


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