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原題:From Hell
監督:アルバート・ヒューズ/アレン・ヒューズ
キャスト:ジョニー・デップ/ヘザー・グラハム/イアン・ホルム
配給:20世紀フォックス
公開:2002年1月
時間:123分




ちょっと間が空いたけど『イントゥ・ザ・ウッズ』の口直し2本目にと,またまた異色なジョニデを見てみた。デトロイト生まれの双子の兄弟アレン&アルバート・ヒューズ監督が,19世紀イギリスの連続殺人鬼「切り裂きジャック」の映像化に挑み,その大胆な解釈が話題になった作品。

1888年のロンドン。赤毛の美女メアリ・ケリー(ヘザー・グラハム)と仲間の5人の娼婦たちは,ホワイトチャペル地区で身を売ってなんとか生きていた。しかしある夜,仲間のひとりが何者かに襲われ喉をかき切られて殺されてしまう。さらに立て続けにもうひとりの犠牲者が出る。それは世に怖れられた“切り裂きジャック”の犯行の始まりだった。事件の捜査に当たったのはアバーライン警部(ジョニー・デップ)。2年前に妻子を亡くして以来心を閉ざし,アヘンの幻覚に救いを求めて生きていた。だが,そんな彼もメアリの美しさに次第に心惹かれていく。しかし,肝心の捜査は思わぬ妨害もあり遅々として進まない…。

切り裂きジャック(Jack the Ripper)の事件は未解決で,犯人の正体についてはいくつもの説が唱えられている。それゆえにこれまでにも多くの小説・映画の題材にされてきたが,この作品はそれらの中でも群を抜く1本だと思う。

犯行シーンは事実に則しつつもグロくならないギリギリを映像コラージュで表現し,次の展開へと惹きつける。当時の社会や街並みについても,ヴィクトリア朝末期ロンドンの階層と貧富,科学と伝統の混沌とした様子や,そこに流行したオカルティズムなどをリアルに,そしてスタイリッシュに見せてくれる。

確実に切り裂きジャックの被害者とされている中で最後の,そして最も残忍な殺され方をしたメアリの運命と,アバーライン警部の捜査と恋の行方を…ぜひ皆さんの目で確かめてほしい。

そして,何と言っても公開当時38歳のジョニデから香る男の色気!…ファンならずともよだれモノの1本となるはず。セル版に収録のアナザーエンディングも,後のストーリーを膨らませるものとなっている。


映画クタ評:★★★★


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