寄生獣

監督：山崎貴
ｷｬｽﾄ：染谷将太／深津絵里／阿部サダヲ
配給：東宝
公開：2014年11月
時間：109分

劇場での予告編に惹かれ，予習にと見始めた深夜枠のアニメにハマってしまった。原作の連載完結からやがて20年が経つのに，今なお根強い人気のある世界観に，回を追う毎に染まってきた感がある。

謎の寄生生物パラサイトが現れた。パラサイトは人間の脳に寄生し肉体を操り，人間を捕食していく。高校生の泉新一（染谷将太）にもパラサイトが近づき脳に寄生しようとするが失敗。パラサイトはやむなく右腕に寄生する。この信じがたい事態を周囲に話すわけにもいかず，新一は右腕のパラサイトにミギーと名前を付け奇妙な共生生活をするうちに，友情のようなものを感じるようになっていく。パラサイトは次々に現れ，新一の幼馴染の同級生・里美（橋本愛）にも危険が迫る。人とパラサイトの殺し合いが進む中，高校教師として現れたパラサイトの田宮良子（深津絵里）らはそれぞれの考えを持ち始めていた。地球を破壊する人間を淘汰するために生まれてきたというパラサイトに，生き残りをかけ戦う人間たち。価値観が揺らぐ中，新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく…。

監督は『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年・東宝)の山崎貴。『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010年・東宝)，『friends もののけ島のナキ』(2011年・東宝)，『永遠の0』(2013年・東宝)と，次々にヒット作を手掛ける日本のVFXの旗手。従来の映画で表現できなかった高度なビジュアルの追求は「邦画もなかなかヤルじゃん！」と嬉しくさせてくれる。

特に今作でのミギーは特筆。阿部サダヲは声優だけでなく，パフォーマンスキャプチャー撮影をしている。つまりCGで描かれるミギーの表情も動作も，限りなく阿部サダヲが演じていることになる（ちなみにアニメ版のミギーの声優は平野綾）。

構成や設定に変更はあるものの，原作のモチーフとエピソードは踏襲されているとのこと。４月の『完結編』が待ち遠しい。