クロマの話(弐の二) | [k]隊長的音生活

クロマの話(弐の二)

・・・クロマの話(弐の一)の続き

ピアノとゆ楽器は・・・実は、ハ長調に特化した楽器なのである。



(゚Д゚ )ハァ? こんだけ引っ張っといてソレだけかよ!


はは。
まぁまぁお若いの。そぅ言わずにぃもちょと爺の話を聞きなされ(仙人風で)


白鍵だけを弾けば誰もがハ長調。テキトーに弾いても大きく外れる事はない。
コレは楽器として…否、音楽の導入として「子供達に興味を持たせる為だけ」には効果的なのかもしれない。

ピアノのおけいこ始めました。赤バイエルです。初めのウチ使うのは手前の白い鍵板ダケです。えぇ。黒いのなんて使いません。
♪ドレミファソ~ラファミッレッド~♪(どっかで聞いたコトあるって?)
ンまぁヨシコちゃんたら、何てお上手なの?ウチの子天才かしら!

子供てぇのは褒められれば喜んでレッスンを続ける。どんどん上達して、あっとゆ間に赤バイエル~黄バイエルへと進み・・・徐々にピアノの暗黒面…即ち自分自身の名さえ持たぬ「黒鍵」が容赦なく幼い心を惑わせるのだった。。。

そう。このダークサイドこそ楽しい筈の「音楽」を、一部の…長い年月をかけて小難しい理論を習得したとゆ…者しか操るコトが出来ないとゆよな「現状」を招いた元凶なのである。
事実、子供の習い事No.1は今も昔もダントツぶっちぎりでピアノなのにも関わらず、小学校を卒業スル頃まで続けてる率タルや惨憺たるサンタルチアだ(なんのこっちゃ)

誰しも音楽は好きだと思う。辛い時哀しい時デートの時、常に音楽は想い出と共にある筈だ。
加えて義務教育の9年間(高校で選択した人はそれ以上)ちゃんと学んだのにもかかわらず、ほとんどの人が読譜すらできないとは一体全体どうしたコトなのだろう?

ら簡単さ。理論(ムズ)ぃんだよ!

その通り!
難(むずか)しいのだ。

では具体的に理論のドコが(むずか)しいのか?

物事を理解するには基礎から…は当然だ。九九が分からなくては割り算はできない。その前に足し算が分からなければ掛け算さえ無理。いやそれ以前に数字が読めないと・・・って、ンなヤツぁいねーよ!
確かに算数ならそかもしれんが、音楽の場合「ドレミ…」やト音記号ってのは基礎の基礎、算数の数字にあたるモンなのだ。
つまり最初の最初、基礎の基礎「ドレミ…」をちゃんと理解していないとは、どゆコトなのか。言わば構造計算が出来ずしてマンションを建てるよなモノ。音楽の理論など知識として構築できる筈もない。

ドレミ…はオクターブ内にある12半音から抽出された7つの音程であり、トーンナリティ(調性)を限定的にハッキリさせる効果がある!・・・とゆ書き方をするとまたフクザツに感じてしまうが、「調=キー」を確定するのに必要な「スケール=音階」(物差し)と考えればよい。

例えばキーがCメジャー(ハ長調)ならCのトコに、Dメジャー(ニ長調)ならDのトコに「ドレミ…」とゆ目盛りが付いた物差しを当てればイイのだ。

Scale001gifアニメ
↑をクリック!(gifアニメなのさ)


つまり「ドレミ…」とゆのはオクターブ内の12半音分だけ存在するのだ(って当たり前だのクラッカー)。


ちょと待って下さい。
「ドレミ…」ってピアノの白鍵のコトぢゃないのデスか?
ソンナニイッパイ「どれみ…」ガアルナンテ、チットモシラナカタョ...


「ドレミ…」とゆのは元々メロディーを伝える目的で音の高さを分かり易く示す為に考え出された階名唱法で…(略。“グイード・ダレッツォ”で検索するのが吉)。

階名唱法には「移動ド法」「固定ド法」の2通りあり、一般的に声楽では「移動ド」が器楽演奏には「固定ド」が良いとされている。なので白鍵を「ドレミ…」読みをするとゆのは、そゆコトなのだ。


さて、やっと本題に入るワケだが「ピアノ鍵盤」のドコに問題があるのか?

その答えは冒頭に述べた通り「ハ長調」に特化しているとゆ点だ。
それは即ち「ハ長調」の音階(白鍵)を横一列に並べてしまったコトに起因する。

上のGIFアニメを見れば気付くと思うが、長音階とゆのは「ドレミ」「ファソラシ」で分けられる。各組内の音同士は間に余白(半音分)が空いている(つまり隣同士は全音程)が、互いの組同士は空いていない(各組の末端同士は半音程)。

Do・Re・MiFa・So・La・SiDo・Re…

コレを見れば良く分かると思うが、長調の音階は隣あう音程が一定ではないとゆコトだ。ドから進むには「けんぱ」の要領(けん=全、ぱ=半)で「けんけんぱけんけんけんぱ」になるのだ(ってかえって分かり難い?)

ともかくココで「のだめのトートバック」を思い出して欲しい(普通にピアノ鍵盤でも可!A;^_^)

ま、こんな感じ↓だろか。※テキストの模式図にて失礼(え?ピアノ鍵盤くらい描けって?)

■■ ■■■ ■■ ■■■
□□□□□□□□□□□□□□
↑      ↑      
ドレミファソラシドレミファソラシ


ね! ワカッタかな?
ピアノはハ調長に特化して音階を手前の白鍵に集めた為、半音全音の区別なく横一列に並ぶコトになってもうたのじゃわい。
そのせいで音程(インターバル)と実際の距離感に於いても混乱をキタすコトになった。

例えば「ド~ミ」は長3度(4半音分)「ミ~ソ」は短3度(3半音分)と異なる音程差だが、白鍵上での見た目はどちらも「一つ跳ばし」で等距離となる。確かに「ミ-ファ間に黒鍵は無いのでソコは半音になるんだ!」と覚えればイイのかもしれんが、音程の距離感が見た目と違うとゆのは如何なモノだろうか(つかソレを敢えて覚えなければならぬとゆコト自体に問題がアルのではなかろうか)?

更にもっとやっかいなのは、キー(調)の違いにより鍵盤上での進み方が全く異なってしまうとゆコトだ。
カラオケで半音上げるには「+1」にするだけ。ギターの場合も(キーにも依るが基本的には)フレットを一つずらすだけ。なのに楽器の王様であるピアノは「半音」上げるとゆ事がどれだけ面倒な事かと言ったら…。
ハ長調なら白鍵だけを弾いてれば済んだモノを、たった半音上がっただけで・・・

Dbメジャー(変ニ長調)はココが主音
 ↓      ↓     
 ■■ ■■■ ■■ ■■■
□□□□□□□□□□□


・・・な風に弾かんといかんばい。
勿論「フィンガリング(運指。指使いの事)」も全然違ってくるワケで、ピアノの場合、当たり前のように常に「全て(12個!)のキー」で弾く練習が不可欠なのだ。


でも 他の楽器だって、例えばハーモニカやら管楽器やらハープやら…特定のキーに特化してるモノばっかじゃん。なんでピアノだけが特別なの?

イイ事を言った。
そうなのじゃ。ピアノ…つか鍵盤楽器とゆヤツぁ特別なのだよ、ワトソンくん(ホームズ風で)

クロマの話(弐の一)で触れた通り、ピアノは本来「クロマチック」な楽器なのだ。ピアノの弦もそれを叩くハンマーも普通に淡々と、半音ずつ横一列に並んでるのである。

それを敢えて特定のキーに特化した上であのような配列に甘んじているワケだ。もっとスマートで分かり易い、そして習得し易いクロマシステムの「ボタン配列」があるのにもかかわらず…だ。


クロマ転調
ほら!クロマなら転調してもズラすだけでオK♪


※Cメジャー(ハ長調)からDbメジャー(ニ長調)へ転調した図だが、よく見ると「ディ」「メ」「フィ」「ル」「セ」とゆ見たこと無い音名らしきモノが書かれているのにお気付きと思う。クロマシステムでは12半音全てを平等に扱う為、当然黒鍵に当たる音にも固有の名を与えているのだ。初めは聞き慣れないので奇異に感じるかも知れんが、よくよく考えれば「ドレミ…」だって慣れたからこそ違和感がないだけの話。。。

何たってある聖歌の歌い出しの音がたまたま音階になってたので、前出の“グイード・ダレッツォ”がその音に当たる歌詞の冒頭の発音で音名を示しただけの事だ。もし仮に4番目の歌詞冒頭が「poco」とかだったら「ドレミポ…」になってたのだよ。
それにドイツ語表記の音名だと♭はes,、♯はisとゆ接尾辞を付けて表すから、慣れれば意外にしっくりくる音名のよな気がする。


クロマ運指
ボタンは縦列のドコを弾いてもイイ


因みに下図の運指は人の指の長さ(少し短い親指と小指は手前、他3本はそれより奥のボタンを使う)に則した方法である。
勿論ピアノ的な運指「ド=1で始めてファで指抜き」でも良いし、他にも色々な運指があるので、自分の好みにあったフィンガリングで弾けば良いだろう。

なんたってクロマの醍醐味はトリコロール「自由・平等・博愛」なのだから!





【p.s.】ブログで追伸つのもナンだが・・・。
前回のクロマの話(弐の一)にコメントを寄せて頂いたので、それにお答えしよう。


Q:「奇数列用・偶数列用」の長短2種類を交互にでは、視覚的に弾きにくくないんですか?

A:上図を参照して頂ければ分かりやすいと思うのじゃが、長短2種類の鍵盤とは言え実際に押すのはボタンキーだから、ボタン同士の関係を考えれば非常にシンプル(真横=全音=けん、斜=半音=ぱ)だ。
何より「視覚的」なイメージと実際の音程(インターバル)が完全に一致してるので、例えば・・・

    長3度 短3度 完全4度 完全5度
    ●○● ●○  ●○○  ●○○○
          ●    ●     ●

等の位置(距離)関係は常に同じ。イメージと音の距離が一緒って素晴らしい。
即ちフォームとしてスケールやコード(*)を覚えてしまえば、後は単に平行移動するだけ…ただそれだけなのだ。
(*)コードもダイアトニック全てを覚える必要はない。Ⅰ△7~Ⅶm7b5のウチ、○△7、□m7は同じフォームの平行移動で済むので、基本型は4種、各転回型を加えてもたった16種でダイアトニックのコードトーンに関しては完璧だ。

ピアノは特定のキーに特化してる為、全てのキーでスケールやフレーズ等を練習スル必要があったが、クロマシステムの場合その手の基礎練習は1/12の練習で済むんだなぁ(みつを風)


こんなんでお答えにナッタでしょうか?また疑問等ございましたら、どしどし質問して下さいタマ県には海が無い。なんつってw