私達針灸師は、西洋医学(解剖学生理学病理学臨床医学各論・総論、リハビリテーション他)と、中医学を基本として施術しています。

中医学も基本となる陰陽五行論を大きな基礎として、経穴、経絡、臓腑などを勉強し
、四診望診(見る・全身・顔・舌他)。聞診(声・息・におい)。問診(話を聞く)。切診(脈・腹他)で患者さんの状態をみて
八綱弁証(陰陽・寒熱・表裏・虚実)や気血津液(きけつしんえき)弁証、臓腑弁証、経絡弁証他
などを考慮し施術していきます。

上記にあげた中の「気血津液弁証」の説明をします。
前にも書きましたが
気・血・津液は体を構成する物質であり、どれが足りなくても(虚証)どれが滞っても(実証)痛みを発します。

まずは虚証
が少なくなると寒く感じます。
血が少なくなると肌荒れ・めまい・不眠他など。
津液が少なくなると口が乾いたりほてり・不眠など。
どれも揉むと気持ちいいです。

次は実証
気が滞るとイライラしてお揉むと痛いけど、痛い所が移動していく
血が滞ると顔や舌が暗い色になって、揉むと刺すように痛い。
津液が滞ると体が重だるくなって揉むと重い痛みがある。

気血津液はどれも流れている川の様なもの。
川は流れているときれいだけど、淀んだ所には腐臭がわく。
これが邪気で痛みを発する。

気が滞ったのが気滞(きたい)という邪気
血が滞ったのが瘀血(おけつ)という邪気
津液が滞ったのが痰(たん)や湿(しつ)という邪気です。

川に淀んだ所があったら、土を削るなりして流れる様にすればいい。

体の中に淀んだ所(邪気)があったら、
気や血や津液
の通り道を広くして流れを良くしてあげればいい。
そのために揉んだり針打ったり灸すえたりするわけです。
私は気功師でもあるので、気を直接流したりもしますが。

基本的にウチに来る患者さんは邪気を持ってます。だから痛い。
痛い所だけ施術してたらすぐ戻ってしまうことが多い。

川を掃除するなら、本流から細い支流まで掃除すれば詰まりづらい。

筋肉系の病症に関しては、こんな感じの考え方で普段施術してます。