窓の外を見たり、なにかほかのものを見るとき、
自分がなにを見てるかわかるかい?
自分自身を見てるんだ。
ものごとが、美しいとか、ロマンチックだとか、
印象的とかに見えるのは、
自分自身の中に、美しさや、ロマンスや、
感激があるときにかぎるのだ。
目で見てるのは、
じつは自分の頭の中を見ているのだ。
(沢木耕太郎著「旅する力」より、
引用元:フレドリック・ブラウン著「シカゴ・ブルース」青田勝訳)
美しい風景など、なにかを見て感動するときは、
自分の心が「感動したがっている時」と言えるかもしれません。
また、「感受性豊かな状態」と言うこともできます。
例えば春、満開の桜を見て自然に涙が出てしまうなど、
それはただ美しさに感動しただけではなく、
その景色を眺めながら、
何かを想うことによるものなんだと思います。
景色に限らず、例えば絵画などの芸術、映画、物語、
いやむしろ、日常のなんでもない事柄にさえ、
意味を感じてしまうような状態。
それは、自分の頭の中に、
なにか大きな特別なものが存在している時なのでしょう。
歌でもそうです。
普段は気にもしなかった唄の歌詞が、
なんだか自分の状況や心境に合致しているように思えたり、
突然思いもよらぬ形で心に響き、
なにかを気付かされることもあったりします。
このような時のことを、単純な言葉で表すなら、
「心が敏感な時」
という言葉がしっくりくる気がします。