いきなり異種格闘! 8th Fight! | 若端創作文章工房

いきなり異種格闘! 8th Fight!

彼の名は『松坂 耕輔 』! 腕利きの少年探偵だ!


彼は亡き父親から恐るべき遺産を受け継いでいた!


『鉄人2割8分』


 それが、耕輔少年が受け継いだ脅威の遺産!

 そして、耕輔少年の力!


「行け! 鉄人!」

ガォォォォン!

 

「って、思い切りルール違反のような気がするんですが……」

 突如現れたアナウンサーの質問に、松坂少年は笑顔でこう返す。

「だって、携行できれば武器は何だって良いんですよね?」

「……いや、身長8m近いロボットって、携行できる範囲を超越してますが……」

「はい、僕が携行している武器はこのリモコンです! あくまでも、僕はリモコンを操作しているだけであって、鉄人は勝手に動いているに過ぎません!

「は……はぁ……」

 松坂少年の屁理屈に圧倒されるアナウンサー。


 だが、どうやら審判から許可は下りているらしい。


 やがて、シャッターが開き、試合開始の号令が響く!


『赤コーナー! 松坂 耕輔! 少年探偵!』


「行くぞ、鉄人!」

ガォォォォン!


 雄叫びを上げ、鉄人2割8分と共に試合場に躍り出る松坂少年!


 そして、対戦相手を呼ぶ声が響く!


『青コーナー!

 ズルイダーX! 巨大ロボ!


 正面のビルを崩し現れる身長20m程の巨大ロボ!


 胸に輝く巨大な『X』!


 これが、これがッ!! これが不敗の巨人、

ズルイダーX!!

 

「ち……ちょっと待ってください! そっちの方こそ携行できる範囲を超えているじゃないですか! あれ、明らかに頭部に人が乗って操縦してますよ!」

 抗議する松坂少年!


 だが、ズルイダーのコクピットに座っている鷺田 賢(さぎた まさる)は笑いながらこう答えた!

「お前、よく選手紹介を聞いてなかったのか!? エントリーしたのはこの俺、『鷺田 賢』じゃなくて『ズルイダーX』なのだ! 別に問題は無かろう!?」

「良いんですか審判! 絶対これルール違反ですよ!」

 審判に食って掛かる松坂少年。だが!?

「いや、これはOKですよ! むしろあなたの方がグレーゾーンですよ!」

「あんた! 審判に幾ら払ったんだ!」

 しかし、ズルイダーXは身構えていた!

 リモコンを握る松坂少年!


「くっ! いけぇ! 鉄人!」

ガォォォォン!


 ズルイダーXに向かって突進する鉄人2割8分!


 次の瞬間!

「ズルイダぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・ネェェーーーーーーーーーーーーットォ!!」


 何かワイヤーのような物を引っ張るズルイダーX!

 突如ビルとビルの間に張り巡らされる網!

 網に絡まり墜落する鉄人2割8分!!


「今だっ!!

ストライクブレイザァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!


 胸のXから放たれる熱線!!

 松坂少年ごと爆散する鉄人2割8分!!


「やりましたズルイダーX! 不運にも網に絡まってしまった鉄人2割8分に、容赦ない必殺のストライクブレイザーを決めましたァ!」

 両手を広げ、雄雄しく勝ち誇るズルイダーX!!

「また俺たちの力で、正々堂々と勝ったな! ズルイダー!」


 ……って、お前、アナウンサーも買収してるだろっ!!


 つ~か、何処が正々堂々なんだ!?


 かくして、一回戦8試合は終りを告げた!


 ズルイダーXまで乱入したこの『S-1ファイト』、一体、どうなってしまうのか!?


本日の結果


 第一回戦


 × 松坂 耕輔(少年探偵)=  ◎ ズルイダーX


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 ついに……てかやっぱり、と言うか、ズルイダーX の登場です!(爆)