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PHD阻害薬は糖・脂質代謝異常を改善

 2017年07月04日 07:10

 現在、臨床試験が進行中のプロリン水酸化酵素(PHD)阻害薬は、腎性貧血の治療を大きく変えると期待されている。東京大学病院血液浄化療法部部長で腎臓・内分泌内科教授・診療科長の南学正臣氏は、第62回日本透析医学会(6月16~18日)で、PHD阻害薬は腎性貧血だけでなく糖代謝や脂質代謝の異常を改善する可能性があることを示唆した。
HIF活性化でインスリン抵抗性改善

 PHD阻害薬は、低酸素誘導因子(HIF)を分解するPHDを阻害して、HIFの活性を高めることによりエリスロポエチンの生理的産生を誘導し、腎性貧血を改善する新規薬剤。ヘプシジンの発現抑制により鉄の利用効率を高め、より効率的な造血を促すという点も、新たな貧血治療薬として注目される理由だ。

 南学氏は「HIFの活性化は、貧血改善以外にもさまざまなメリットを生体にもたらすことが分かってきた」と述べ、PHD阻害薬への期待をさらに高める研究成果を紹介した。

 まず、同氏らの研究グループにより明らかにされたのが、HIFを薬理学的に活性化することによる急性腎障害の予防。世界で初めての知見となった。また、スウェーデンのグループとの共同研究では、HIFを薬理学的に活性化すると糖尿病腎症が改善することを明らかにした。さらに、ごく最近の研究で、HIFを活性化する化合物JTZ-951を投与した2型糖尿病腎症モデル動物において、アルブミン尿の減少、糸球体濾過量(GFR)とインスリン抵抗性の改善に加えて脂質代謝の改善を報告している。

 他の研究グループからは、HIFの活性化により、腎機能の改善に加え、腎臓病に伴い発症するサルコペニアを抑制することが報告されている。糖・脂質代謝への影響に関しては、PHDノックアウトマウスで肥満、耐糖能が改善することが明らかにされている。さらに、LDL受容体欠損マウスの肥満、脂肪組織の炎症および脂質異常症がPHD阻害薬により改善され、その結果として動脈硬化も抑制されるという報告もある。

 近年、HIFが糖・脂質代謝に影響するメカニズムについて、HIFそのものがinsulin-induced gene 2(Insig-2)を活性化するという報告がなされた。Insig-2はHMG-CoA還元酵素を分解する酵素であることから、HIFの活性化はスタチンと同じ作用をもたらす可能性が考えられるという。
脂質代謝の改善は臨床研究でも

 HIF活性化による脂質代謝の改善は臨床研究でも明らかにされつつある。roxadustatの第Ⅱ相試験では脂質異常症の改善効果が認められた。また最近、南学氏らの研究グループは、daprodustatを投与した日本人透析患者において、貧血の改善とともに血清脂質値が改善したとの成績を明らかにしている。

 同氏は「HIFを活性化することで脂質異常症、糖代謝異常などが改善する可能性がある」と指摘。今後の腎性貧血治療について「これまでのエビデンスとは異なる結果が鉄、糖、あるいはヘモグロビンなどに対して示される可能性があり、腎性貧血のガイドラインの改訂も必要となるだろう」と展望した。

(JSDT 2017取材班)

 

<引用ここまで>

 

HIFというのは "hypoxia induced factor"でして、

「低酸素により誘導される因子」です。

これは癌細胞で活性化しているので有名な蛋白質です。

 

HIFが全身で活性化すると、どんな影響が出てくるのでしょうか?

全身が「癌細胞」みたいな代謝になるわけです。

つまり嫌気的解糖=酸素を使わないブドウ糖代謝が全身で活発になります。

ガンガンブドウ糖を使います。

 

血糖値は下がり、脂肪は燃えます。

 

ちょっとおもしろい薬剤ですが

発売はまだまだ先のようです。