昔々の話・・トラ男 | 毎日書かない日記

昔々の話・・トラ男

帰って来た!変な男シリーズ

昔々、スキーに行った時
出会った人の話です。

コチラ左矢印の記事にも登場した
アネゴにスキーに誘われました。

アネゴ
は、夏はテニス
冬はスキーをやるサークルのようなものに
入っていました。

そのサークルのスキーツアーバスに
空きがあるので参加しないか?
と言われたのです。

高校以来のスキーです。
もちろん道具も持っていません。

でも仲良しのアネゴと一緒だし
何しろ格安で行かせてもらえる
・・・との事だったので
思い切って参加しました。

スキー旅行当日
メンバーに紹介してもらうと、
早速近づいてきた男性がいました。
(早っ!!)

「スキーは初心者なんだって?
僕が教えて
あ げ る

と、親切に?言ってくれました。

行きのバスでは
アネゴの隣がまどれーぬ
そしてその隣、普通は「通路」なんですが
何故か「補助席」を出して
その男性が座っていました。
仮にカネダさんとでもしておきましょう。

カネダさんは、しょっぱなから
ガンガン話しかけて来ました。
アネゴもあきれ顔

翌朝、ゲレンデに到着
(車中泊ってやつですね)
早速スキー道具をレンタルしに
行きました。
カネダさん親切に?
そこにも付いて来ました。
そして、あれこれアドバイスしてくれ
その上ねぎってくれました。

その後ゲレンデでは、
付きっきりで指導してくれました。
翌日昼過ぎまで滑って、
帰路につきました。

帰りのバスの中で
電話番号を聞かれましたが、
もちろん教えませんでした。

スキーから帰って数日後

「カネダさんから連絡がきて
写真を渡したいから、
みんなで会わないか?って」

アネゴに言われました。

ならばお世話になった方々に
ご挨拶もしたかったし、と
アネゴと一緒に行く事にしました。

待ち合わせ場所に行くと
そこにいたのは、
カネダさんただひとり・・・

しかもゲレンデでの彼とは
全く別人のように、しけた
存在感がない男だったのです。

これは誰もが経験した事があるでしょう

スキーの滑りが
どんなに華麗であっても
地上におりたとたん
只の人になってしまう事を
・・・。

カネダさんもまた、そうでした。

スーツのポケットに両手を突っ込み
若干内股気味で歩く(ボーゲンかっ?)
その足下からは
白いソックスが見えています
かな~り残念なルックスです。

とあるお店に入り、食事をしました。
彼がスーツのジャケットを脱いだとたん

「げっ!」

と思わず言ってしまいそうになりました。

何 故 な ら

トラの模様のセーターを
着ていたからです。
全面にでかぁーいトラの編み込み!

他人の趣味嗜好を
とやかく言えた義理じゃないですが、
スーツ
白ソックス
トラ模様のセーター

三点セットはどうにもいただけません。

とにかくその日は写真をもらい
解散しました。

その日の深夜
突然カネダさんから電話が来たんです。

あとで聞いたのですが
カネダさんは、まどれーぬ
サークルに誘いたいから
電話番号を教えてくれ・・・と
アネゴから電話番号を
聞き出していたのでした。

カネダさんは唐突に
自分のプライベート
話し始めました。

まず、職業
それから持ち家(一軒家)がある事
本業の他に、知人にお金を貸して
若干の金利を取っている?事
金融機関で借りるより、ずっと安い金利で
大金を長期貸し付けている事・・・
そして、それは
すばらしい人助けである事

などなどをしゃべり続けました。

し か し
あまりに遅い時間だったので
電話を切ろうと思ったとき

と つ ぜ ん

だ か ら
結婚してくれない?


と言ったのです

だ か ら?
その接続詞の意味がわかりません。

誤解のないよう申し上げますが、
カネダさんに会ったのは
スキーの時と、この日
二回のみです

そ れ な の に

プロポーズ?

人生でそう何回も
経験しないであろうプロポーズ


そのうちのひとつ
このトラ男カネダさんだった
悲しい女のお話でした。

おしまい

(その後カネダさんには
丁重にお断り申し上げました。)