怒り | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

怒り

27点

『悪人』『パレード』『横道世之介』でお馴染み吉田修一原作の小説を李相日監督で映画化。吉田原作と李監督タッグは『悪人』以来二度目。
まず冒頭で殺人事件が起こり、壁に血文字で「怒」の文字。さて犯人は誰?の展開。
映画は東京編、千葉編、沖縄編で成り立ち、それぞれ別の容疑者が描かれる構成。
ただ少しネタバレするとこの3つのエピソードに密接な関係はなく、最終的な事件の真相にも意外性はあまりない。
ズラリ揃えた豪華なキャスト。この実力派俳優陣が泣き叫び怒り、とにかく大げさな演技を見せる。でも感情をむき出しにするわりに、ストーリー自体には実はそれほど見せ場がないのが唯一にして最大の欠点。
「衝撃作」を目指して作ったんだろうけど、セリフや演出に荒々しい雰囲気が出されていても、結局物語が付いてこれていないので、結果的にコケ脅しでしかなくなってしまってる印象。

個人的にすごく楽しみに見たんだけど、見終わって期待はずれで俺の方が怒り(笑)


監督:李相日
出演:渡辺謙、宮崎あおい、妻夫木聡、松山ケンイチ、綾野剛、高畑充希、森山未来、広瀬すず、池脇千鶴、ピエール瀧、原日出子
2016年 142分