地獄でなぜ悪い | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

地獄でなぜ悪い

69点
『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』でお馴染み園子温監督作品。
今回も独特の園ワールドが冒頭から全開。ただ今回はエロはほとんど無く、そのかわりバサバサと人が死ぬグロシーン満載。
映画はもう序盤からブラックなコメディタッチ。随所に盛り上げるBGMを振り撒き、まるで全編がクライマックスかのような仰々しさ。
でもストーリーは完全に破綻しており、まぁぶっちゃけ中盤くらいまでは全然面白くない。
例えるならタランティーノの『パルプ・フィクション』『キル・ビル』を参考にし、ロドリゲスの『マチェーテ』のふりかけをかけて、昭和の味付けをした印象。しかしパクり映画の域を超えた個性は感じられる。
そしてクライマックス20分は迫力ある壮絶な殺陣シーン、園さんらしい無茶苦茶な締め。はっきり言って駄作なんだけど、ラストまで見ると妙に満足してしまう不思議な作品。

監督:園子温
出演:長谷川博巳、堤真一、星野源、二階堂ふみ、國村隼、友近、渡辺哲
2013年  130分