ホーホケキョとなりの山田くん | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ホーホケキョとなりの山田くん

29点
スタジオジブリの1999年作品。監督は『火垂るの墓』の高畑勲。
ただし原作はいしいひさいちの人気4コママンガ。それをベースに長編映画化されているので、ジブリが関わる必要があったのかがまず疑問。
ストーリーはブツ切りで全体的なテーマもない。まぁサザエさんみたいなもの。
映像はセル画ではなくデジタル彩色だが、あえて手書きのような雰囲気を前面に出し、背景や人物描写を大幅に省略した個性的な手法。まぁ一見すると単なる手抜きに見えるけどね(笑)
山田家の構成は、厳格だが頼りない父、豪快な母、嫌味っぽい祖母、普通の兄、かわいい妹の5人家族が中心。けど原作で一番人気だった妹・のの子の出番が極端に少ないのは残念。
後半で唐突に出てくる、なぜかリアルな暴走族描写もちと不快。月光仮面に結びつけるのも強引にしか感じられず、ここはのんびりムードに水をさしているようにしか思えないなぁ。この場面は不要だったように思える。
まぁ全体的には温かみのある展開。しかし一本筋は通っていないのでその場限りのほのぼのさでしかない。
これはさすがにジブリにしたら黒歴史だろう。

監督:高畑勲
声の出演:朝丘雪路、益岡徹、荒木雅子、五十畑迅人、宇野なおみ、ミヤコ蝶々、柳家小三治、中村玉緒、矢野顕子
1999年  110分

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