悪の教典 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

悪の教典

74点
『黒い家』でお馴染み貴志祐介の小説を映画化。
本作の劇場公開前にスピンオフドラマ「序章」がDVDレンタルされていたが、ぶっちゃけこれあまり面白くない。
そしてこの本編も、冒頭から延々と「序章」の流れを受け継いで、テンポが悪くなかなか話が進行しない。ジワジワというよりはダラダラ、単に前フリが長い印象。
ようするにこの映画、見せ場はラスト40分の銃乱射シーンだけなんだな。しかしそこも極論を言えば『13日の金曜日』のジェイソンみたいな感じ。
確かに舞台が高校で犯人が爽やかな青年教師というだけで、かなり身近に感じられる迫力はある。
ただし物語が薄い分、恐怖や狂気があまり伝わってこないのは残念。惨殺シーンは圧巻だけどそれ以上のものはない。スプラッタホラーのレベルで止まってしまったのは惜しい。
でも主演の伊藤英明は思った以上の好演。彼の個性で主人公の魅力が、明暗ともに上がっているのは事実。チーチッチチーチッチをマネしたのは俺だけじゃないはず(笑)

監督:三池崇史
出演:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、水野絵梨奈、KENTA、浅香航大、吹越満、山田孝之
2012年  128分

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