ファミリー・ツリー | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ファミリー・ツリー

84点
アカデミー賞の主要部門は逃したが、2010年の各賞レースで数々の高評価を得た作品。
舞台はハワイ。妻がボート転落事故で植物状態になり、残された夫と娘2人の葛藤を描く。
テーマは重いものの演出は軽快。ジョージ・クルーニー演じるどこか気弱な父親と、生意気な娘の絆をコミカルに表現。常夏の楽園オアフ島~カウアイ島の楽しそうな映像も手伝い、全体的には明るい雰囲気。
脇役も魅力的。特にシド役の青年は絵に書いたようなヤンチャ男だけど、映画の中では実に上手い隠し味になっている。思わず吹き出してしまうような場面があちこちに散りばめられているのも魅力のひとつ。
しかし大きなテーマは事故、脳死、そして不倫。なかなかこの題材でハッピーエンドは厳かったと思うが、ただこの作品はラストも悲壮感が無く後味も悪くない。ハワイアンの美しい音楽も手伝いむしろ爽やかなエンディングでこれは前評判通りの佳作。

監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ジョージ・クルーニー、シェイリーン・ウッドリー、パトリシア・ヘイスティ、ニック・クロース、ボー・ブリッジス
2011年  110分
原題:THE DESCENDANTS

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