BIUTIFUL ビューティフル | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

BIUTIFUL ビューティフル

20点
2011年の各映画賞で高評価を得たメキシコ映画。しかし舞台はスペインのバルセロナで、貧困街に暮らす中年男性の日常をドキュメント・タッチで描いている。主演は『ノー・カントリー』のハビエル・バルデム。
うつ病の妻と別れて男手ひとつで二人の子供を育てながら、仕事は密入国の中国人への労働斡旋など不法な収入でやりくりする厳しい生活。そんな中、自らが末期がんである事を医者に告げられる展開。
必死に毎日を生きながらも人生うまくいかず、体調は悪くなるばかり。そんな物語を見ていると、必ずしも人間ハッピーエンドばかりじゃないって事を思い知らされる。特にスペイン&バルセロナと言ったら日本ではサッカー、フラメンコ、闘牛と華やかな印象が強いだけに、こういう貧しい地域の存在はある意味衝撃的。
人間は平等ではない事を切々と不器用に表現した、なるほど評価通りの素晴らしい作品。
そしてエンターテイメントとは対極の位置にある、2時間半にも渡った実に渋く退屈な構成。こういう映画を堂々と「つまんねぇ」と言い切れる俺は正直なのかバカなのか(笑)

監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演:ハビエル・バルデム、マリセル・アルバレス
2010年  148分
原題:BIUTIFUL

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