ノルウェイの森 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

ノルウェイの森

74点
村上春樹の1987年刊行の超ベストセラーを映画化。監督は『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』のトラン・アン・ユン。
1960年代後半が舞台。髪型、服装、そして学生紛争を中心にした時代背景など、当時の雰囲気が色濃く描かれているとても個性あふれる作品。
ただしストーリーは一言、エロい。濃厚なラブシーンが随所に散りばめられているだけでなく「私濡れてるの」とか「マスターベーションするの?」とかダイレクトな言い回しもちらほら。
また脚本は原作を引用した部分もかなり使われており、セリフも文語表現。例えば日常生活では絶対言わない名言的な歯の浮くようなセリフが多く見うけられる。
ヒロイン・菊地凛子ははっきり言って怪演。ラブストーリーなのに恐怖を感じるほどリアルな存在(笑)映画全体を妙な緊張感が支配している。
しかし主演・松山ケンイチはじめキャラは魅力的な人物ばかり。演出の上手さや映像、音楽の美しさも映画を盛り立て、非常にレベルの高い映画に仕上がっているね。
とは言っても正直、物語自体は思ったほど衝撃でもなく、ひたすらエロ前面の作風は賛否両論かもしれないが。

監督:トラン・アン・ユン
出演:松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子、玉山鉄二、初音映莉子、霧島れいか、高良健吾
2010年  133分
英題:NORWEGIAN WOOD

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