そして、私たちは愛に帰る | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

そして、私たちは愛に帰る

53点
2007年度、カンヌ映画祭脚本賞など各映画賞で好評価を受けた映画。実に渋い、典型的なミニシアター系ヨーロッパ作品だが、内容は意外と見やすくじっくりと鑑賞するにはうってつけの物語。
ドイツとトルコを舞台に織り成す人間模様。人種思想を背景に、3組の親子の偶然の出会いとつながりを描いた社会派ドラマ。
逮捕、投獄、そして強制送還などを通して政治的側面も描かれているが、平和な日本に住んでいるとその辺のいきさつはやはり難い印象。登場人物も多めでストーリーに戸惑う部分もあるが、しかし人間関係が理解できるとこの映画は俄然面白くなってくる。
ただし題材は暗め。これといった刺激的な描写があるわけでもなく、興味が無い人が見たら30分もたずに熟睡する可能性大(笑)

監督:ファティ・アキン
出演:バーキ・ダヴラク、ヌルギュル・イエルシルチャイ
2007年  122分
原題:Auf der anderen Seite