人間失格 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

人間失格

17点
太宰治の名作をなぜか今映画化。小説にはなかった描写も多く含まれ、全体像は原作を離れてなかばオリジナル作品に近い部分がある。
舞台は昭和初期。主人公・葉蔵の精神的葛藤を描いた展開。
刺激的なタイトルとは裏腹に、物語は実に淡々と、そして退屈に進んでいく。
人生の山や谷をくぐり抜けた葉蔵の人生はさして波乱万丈とは言えず「自分には幸福も不幸もない」と絶望した彼の心情はほとんど自己完結の世界。そりゃ誰だって生きてりゃ絶望することはあるよね。
太宰独自の人生論を、映像を通して表現するのは不可能な事。主演の生田斗真は意外な好演、他のキャストもいい味出していたが、あまりに難しいこの題材を生かす事はできなかった。これでは映画失格(笑)

監督:荒戸源次郎
出演:生田斗真、伊勢谷友介、三田佳子、石原さとみ、寺島しのぶ、室井滋、石橋蓮司、森田剛
2010年  134分

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