悪人 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

悪人

73点
第34回モントリオール映画祭で深津絵里が最優秀女優賞に輝き話題となった作品。
一時の逆上から人を殺した青年が、出会い系で知り合った女性を連れて逃亡する話。
妻夫木聡演じる主人公・祐一の心情を通して、悪人とは何かを鋭く表現した奥深い展開。久石譲の音楽の素晴らしさも手伝い、映画としての完成度は高い。
しかしストーリーははっきり言って疑問。殺人に至った経緯がなんとも安直で強引。普通こんな簡単に殺人起きないだろ(笑)また2度しか出会ってない男性にここまで尽くす深津さんも違和感。
決して主人公を悪人と決めつけない手法は共感できるが、じゃあ何が悪で何が善なのかは結局語らずに、丸投げにして観客に委ねてしまった中途半端さも感じる。テーマが重いだけにどうにも見終わった後釈然としない気持ちが残るね。

監督:李相日
出演:妻夫木聡、深津絵里、柄本明、樹木希林、満島ひかり、岡田将生
2010年  139分

$☆テツコの部屋☆~映画評論館~