おくりびと | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

おくりびと

87点
第81回アカデミー賞外国語映画賞ほか、数々の映画賞に輝いた超話題作。職を失った青年が、生まれ故郷の山形に帰って「納棺師」という職業につく話。
人間の死を題材にした映画だが、意外にコミカルな描写が多い。初めて死体と接する主人公をユーモアたっぷりに表現した展開は感情移入しやすく、また全体を包むアットホームな雰囲気で悲壮感も少ない。
ただやはり、死体を目の前にし死と直に向き合うシーンを見ると、改めて人として避けられないことだという事を考えさせられ、思わず目頭が熱くなってくる部分がある。
主演の本木雅弘は撮影前からチェロの猛特訓をし、本作では吹き替えなしで弾いているそうで、その美しい音色はうまく山形の田舎風景と合っている。確かにテーマは重苦しいが、どこかホッとする演出も交えた話題通りの佳作。

監督:滝田洋二郎
出演:本木雅弘、山崎努、広末涼子、余貴美子、峰岸徹
2008年  131分

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