食べ物は食物合成機で生産されるようになります---ラエル

 

クローン人間にYes!」ラエル

 

この本のタイトルからはヒト・クローンに関してだけの本の様な印象を与えますが、この本では人類は将来どのような暮らしをしているのだろうか、の予告が書かれており、とても参考になります。安全な原子力発電のことも書かれています。日本の各企業の研究・開発・製造部門などの人たちにも読んで頂きたい本です。

 

将来の技術の基幹を成すのはナノテクノロジーです。

 

ノーベル賞もの、の発明のヒントがたくさん!!! 

  「クローン人間にYes!」

          ラエル著

 ”未来の家”の項

 

 未来の家は、現在私たちが知っているものとは全く違ったものになります。
 新技術のお陰で、一戸建てや集合住宅であるかに関係なく、生活のための単位は
完全に自給自足の状態となるでしょう。


 現在はすべての住居が資源に依存しています。電気エネルギーの分配、上・下水道、ゴミなど、すべてが集中化されたシステムになっています。

 

 全く同じ形のインフラストラクチャー(社会基盤)方式が、食物の分配に関しても使われています。

 

 未来には、これらのインフラストラクチャーが不要となります。

 

 ナノ・テクノロジーのお陰で、私たちの食べ物は食物合成機で生産されるようになり、基本的な化学物質から何でも作ることができるようになります。牛の頭から、鶏のモモ、果物、野菜、飲み物まで。これまで見てきたように、すべての食糧生産の鎖、つまり農業に始まる食料生産に関する産業は、廃止されている可能性があります。


 メンデレーエフの周期律表にあるすべての元素を含んだ液体を、常に合成機に与えるだけでいいのです。ちょうど現在でも水道の蛇口から水が出るように、この「メンデレーエフの水」の液体を、配管で各住居の合成機へ与えることになるでしょう。


 しかしこのシステムも、最終的な段階である生活圏の分散化のところまで来ると、各生活単位の物質とエネルギーの、全体的なやりくりのシステムの中に統合されてしまうことになるでしょう。


 このようなシステムでは、各アパートや家はすべての点で、100パーセント自給自足となります。


 私たちが飲む水は尿の段階で回収され、ナノ・テクノロジーによって100パーセント純粋な上水に変えられます。


同時に、ミネラルも大事に再利用されます。


 同じように、排便で出る物質も回収され、尿から出るミネラルと共に、明日の食料とするためにリサイクルされます。


 このようなシステムでは、外部からの毎日の食料供給や、汚れたゴミの廃棄などは全くなくなります。継続的なリサイクルでは、時々に数グラムの、メンデレーエフの全元素を含んだ物質や粉、数リットルの水の補給でさえ必要としなくなります。


 このような住居の空調設備では、私たちが吐き出した空気も、私たちの呼吸や発汗で失われた水と共に濾過され、埃もリサイクルされます。


 私たちが必要とする電気エネルギーは、各住居に設置された洗濯機ほども大きくない、それ自体もナノ・テクノロジーによって機能する燃料電池によって、空気中の水素を利用して作られ、すべての洗濯、照明、空調などに必要なエネルギーを、十分に賄うことができるようになるでしょう。


 電子情報が数々の利点を伴って、新聞や雑誌に取って代わるでしょう。これらの出版や、紙やインクの製造に関わる産業は、地球の無残な森林破壊と紙の漂白剤に関連して、水系や大気の汚染に責任があります。


 それらの印刷物のほとんどは、翌日にはゴミ箱に捨てられてしまうような、バカげた内容のものばかりです。


そのゴミ捨て場は、もうどうしようもないほどゴミの山でいっぱいで、それがまた地下水を汚染してしまうのです。


 これらのすべては、ナノ・テクノロジーのお陰で実現する、自給自足のできる生活の場によってなくなります。


 つまりエネルギーや、食料、水などの資源や、ゴミ捨て場などへの依存がなくなります。


 遠距離通信や非常に重要なインターネットなども、各住居単位に個別に備え付けられたアンテナで直接、人工衛星を利用して行われます。


 家そのものも一種の生物学的な物質から造られ、構造自体がナノ・ロボットで構成されています。


 例えば床は、生きた皮の上に敷かれた厚く快適なカーペットで覆われていて、それはゴミや埃を自分自身に取り込んで栄養源としたり、古くなって傷んだものを新しい繊維に伸ばすために利用したり、その繊維の間にはナノ・ロボットがいて、常に繊維を掃除していたりということもできます。


 壁も、それ自体が自浄能力のある物質で覆われていて、色を変えたり、あなたの希望に添った想像し得る限りのモチーフ(図柄)で、常にそれ自体を修復します。あなたのパソコンのスクリーン・セーバーを選ぶように、あなたの家の壁の色を選ぶのです。1日ごとに変えてもいいし、時には、1日に何度でも変えることができます。


 そればかりか、壁の色は動画のように変化させることもできますし、ある時間ごとに変えることもできます。


 窓の位置自体も、あなたの望みで移動させることができます。なぜなら、ナノ・テクノロジーによって、意のままに物質を透明にすることさえ可能になるからです。


 あなたが今、どこかに家を建てようと決めたとしても、そのために全く働く必要はありません。前もってそれ用にプログラムされた、基本となるナノ・ロボットの入った小さな箱を持って行くだけです。それは勝手に十分な数まで増殖し、地中にある物質を利用して、原子や分子のレベルで物質を再構成します。肉眼では見れない顕微鏡的に小さいナノ労働者たちは、あなたが前もって選んでおいた設計図に従って、あなたの家をキノコのように地中から生えさせます。


 あなたがある日、別の場所に移転しようと決めた場合も問題はありません。同じナノ・ロボットがあなたの命令を実行し、その場所を元通りに自然の姿に戻します。草や見事な大木までも、そこにあなたが来る前にあった通りになります。


 これはちょうど、庭に植えると生えてくる、「家の種」を植えるようなものです。
 

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出版社:無限堂

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