大前研一ニュースの視点~

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▼日本の政治家は、「今の中国」を冷静に見て態度を示すべき
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米大統領選が迫る中、
世界的にはコロナ禍の影響を受けて、
米中関係が著しく悪化しています。

 

日本では自民党の二階幹事長が
中国に対する融和勢力として米国から名指しされるなど
話題になっています。

 

私から見ても、
日本から数千人規模の経営者を中国へ連れて行くなど、
二階氏の中国寄りの姿勢は度が過ぎていると感じます。

 

先日も自民党議員の有志が
習近平国家主席の国賓としての来日中止を提案しましたが、
案の定、二階幹事長によって
決議のトーンが弱められました。

 

二階幹事長に限らず、日本の政治家の中には
中国寄りの政治家はたくさんいます。

 

元々田中角栄氏が中国との関係を修復したという歴史もあり、
田中派、竹下派は親中国ですし、公明党の池田大作氏
非常に中国と仲が良いことで有名です。

池田氏が中国へ訪問した時には
国家主席が歓迎してくれるほどです。

 

二階幹事長、田中派、竹下派、公明党など、
根本として中国という国を好むのは全く問題ありませんが、
「今の中国」を見ていて、
それでもなお中国べったりの態度を示すのは、
政治家として鈍感だと私は思います。

 

さすがに今の中国は色々な意味で「やり過ぎ」です

そういったところをきちんと見極めた上で、
冷静な姿勢を見せてほしいと思います。

 

米中の関係が悪化する中、
軍事的な意味で世界情勢を心配する声もあります。

世界的に見ると
ミサイルやロケットの点では米国が依然強いのですが、
中国も米国との戦力差を縮小させています。

また、ロシアに対しても、
米国は大いに警戒しています。

海上戦力では、
米国は圧倒的な強さを誇っています。

中国もロシアから、
中古品で空母を購入して軍事力を拡充していますが、
米国のような空母打撃群を世界に展開する力は
まだ持てていません。

とは言え、台湾海峡や沖縄など
局地的には米軍の脅威となっており、
米国としても警戒しています。

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※この記事は8月2日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています