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シェルターで緊急事態!たった一言のツイートが650頭もの保護犬の命を救った
動物の保護シェルターは、どこも清潔でいつも優しいスタッフが保護犬たちの面倒をみているはず、と思いませんか?実は、ルーマニアに想像を絶する悲惨な保護シェルターがありました。もしその現状が、たった一人のツイートで変わるとしたら?それを実現した有名なコメディアンがいるのです。
これが保護シェルターなのか?
東ヨーロッパに位置する、ルーマニアのブカレストに、あまりにも悲惨な保護シェルター、オダイ・パブリック・シェルターがあります。そこには650頭もの犬たちが収容されていました。
保護シェルターだから、十分なケアが犬に施されていると思いきや、このシェルターはまるっきり逆でした。スタッフも足らず、不衛生な環境の中、保護犬たちはエサも食べられずに、死を待つ収容所と化していました。
ルーマニアは治安が悪いだけでなく、行き場を失った数多くの野犬が街中をうろつきまわっています。
ルーマニアは、ヨーロッパの中でも動物愛護に十分な資金が回っていないこともあり、野犬たちを捕獲したところで、手厚い保護どころか、ご飯もろくに与えることができないのです。
在ルーマニア日本国大使館によると、野犬に噛まれる被害数は、2014年には1万件を切るようになったものの、警戒が必要だと発表しています。
野犬に注意 在ルーマニア日本国大使館
ルーマニアでは、多くの一般市民が野犬等による被害に遭っており、2006年1月29日には、ブカレスト市中心部で邦人男性が野犬に噛まれ、出血多量の結果、亡くなるという不幸な事件も発生しています。
ルーマニア国立感染症研究所の統計によれば、2012年の1年間にブカレスト市だけで年間約16,000件の被害が報告され(前年比約3,000件増)、噛まれたことによる出血多量の死亡例が毎年報告されていた経緯があります。
出典:Ambasada Japoniei in Romania
死んでいく保護犬たちに寄付を!
このシェルターには、十分に保護犬をケアできるスタッフもいません。ご飯もなければフードボールも毛布もなかったのです。
もともと野犬だったから、死んでも仕方がないと思っているのでしょうか?それとも、保護犬を助けたい気持ちはあるが資金がないがゆえに、こんな悲惨さなシェルターになってしまったのでしょうか・・・。
イギリスの保護団体・K9 Angelsが、このひどい現状を知り、オンラインで寄付金を募ることにします。保護犬のエサや治療に必要な30,000ポンド(約500万円弱)を目標に寄付を募り始めました。
しかし、なかなか十分な寄付は集まりません。
そうしている間にも、一匹、また一匹と命が失われていくのでした。
イギリスの人気コメディアンが立ち上がった!
この緊急事態に立ち上がったのが、イギリスで活躍するRicky Gervaisさん。司会、俳優、コメディアンとして活躍する彼を知らないイギリス人はいません。
リッキーさんは、イギリスの保護団体が寄付金集めに悪戦苦闘していることを知り、ツイッターでツイートしました。
「OK.これからエミー賞がもらえるようなドラマを演じるぜ。私はシェルターのスタッフとしてお願いする。オダイ・パブリック・シェルターは緊急事態です。頼む!食べ物と援助をしてくれ。」
出典:Ricky Gervais’s Tweet Saves 650 Starving And Abused Dogs | Bored Panda
エミー賞はテレビ界のアカデミー賞といわれ、最も権威ある賞です。彼の迫力あるツイートに、多くの人が惹きつけられます。
あれよあれよという間に寄付金が集まり、2ヵ月後には目標であった30,000ポンドに近づくことができました。
イギリスの保護団体の呼びかけよりも、広く一般国民から慕われているリッキーさんのツイートのほうが、影響力は強かったのです。
寄付によって救われた多くの保護犬たち
イギリスの保護団体・K9 Angelsは、リッキーさんに賛辞の言葉を贈ると共に、スタッフたちはイギリスからルーマニアのシェルターに行き、これ以上病気が蔓延しないようにシェルター内を消毒し、病気の保護犬たちを緊急ケアしました。
ルーマニアのシェルターに、必要なスタッフが追加されることが検討されていますが、今回の寄付金で将来をまかなえるはずもなく、今後のルーマニア政府の善処が期待されます。
実は、リッキーさんは、たまたま気が向いてパフォーマンスで犬を助けたのではありません。日ごろから動物福祉活動を行っており、長い実績をもっていたのです。
彼のツイッターには、面白い画像だけでなく、以下のような心温まるツイートがされています。
「とてもたくさんのペットたちが放棄されています。どうか、あなたの地元の保護シェルターに訪れて、彼らの命を助けてください。」
「保護されたペットたちは決して悪いペットではないんだ。彼らはただ本当にアンラッキーだっただけ。今日、地元の保護シェルターに足を運んで、彼らの命を助けてください。」
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