みなさんこんにちは。

僭越ながら日本のエクストリームバイクの普及促進、将来的に世界で戦う日本人ライダーのレベルアップのために、これからいろいろ発信していきたいと思います。
今回のテーマはスタント練習用車両のステップアップとストッピーについて。

エクストリームを始める時の効率的な練習方法は、一般的には100ccクラス→250~400クラスを経て最終的にSSに移行するというのが一般的かと思われます。
XR100モタードやKSRなどの小柄なマシンでまずリアブレーキコントロールをしっかり習得します。
このクラスのマシンだと車重も軽く車格も小さいので怪我をしにくいというのが一番大きいと思います。
エクストリームを始める人達の当面の目標であるウィリーサークルを習得するのも小型車でやるのが時間的に一番早いです。
Dトラクラスでは通常半年から一年かかりますが、100モタであれば2、3ヶ月で習得してるライダーもたくさんいます。
そして、100モタで一通りウィリーサークルまでできるようになれば次は中型クラスもしくはいきなりSSクラスに移行することになります。


そして、自分が少し懸念しているのが、小型クラスからいきなりSSクラスへ行く場合です。
ウィリー系については、あまり問題無いかもしれませんが、ストッピー系についてはかなり無理があるような気がします。
周りのライダーでも100モタからSSへの二階級特進組は少してこずっている感が・・・
100モタではまともなストッピーの練習ができないので、やはりいったんはDトラやDRZなどを挟むのがよいかと。
このクラスのマシンはフロント周りもそれなりにしっかりしているので、ストッピーの練習がしっかりできます。サスストロークも十分にあり、少し乱暴にしてもSSのようにフロントがスリップすることも少なく安心です。
リアを上げる時の体の使い方と、なんと言っても「頭を先頭にしてその後ろに車体を着いてこさせる感覚」をしっかりと体に染み込ませること。これをDトラやDRZを使ってひたすら練習してほしいです。
そしてDトラやDRZでストッピーが出来るようになれば、あとはSSでも少し慣れれば簡単です。

ま、ストッピーだけでなくウィリー系についてもできれば横着せずにDトラやDRZでみっちりやるほうがいいとは思いますが。


自分の場合もそうでしたが、エクストリームをやり始めの時は、「いつかはオレもSSでウィリーサークルをやりたい!!」と言う、いわばミーハー的な心情が働くため、とにかく早くSSに移行したいという思いに駆られます。

仮にこれを「SSミーハー症候群」と呼ぶことにしましょう。

そうなんです、この「SSミーハー症候群」こそがエクストリームにおけるスキルアップを阻害する大きな要因であると、わたくしは分析しております(笑)

たしかに、SSでエクストリームをするのはカッコいいです。上戸彩でもホレます。

しかし、何も急ぐ事は無いのです。DトラやDRZでウィリーサークルができれば2、3回練習すればSSでもすぐに出来るものです。
「急がばまわれ」と言う言葉もあります。
焦ってSSに行く前にじっくり腰を据えて中型マシンでやればいいのです。

わたくしも当初は少なからず「SSミーハー症候群」に感染しており、とにかく954でウィリーサークルがしたくてしたくて、DRZでのウィリーサークルがある程度できるようになったらすかさずそれまでツーリング仕様だった954をエクストリーム仕様にしてサークルの練習に取り掛かりました。
そして、とうとう954でのウィリーサークルを達成した時、そこにはミーハーだった自分が想像していたほどのものは何も無かったのです!!
それからというもの、とりあえず落ち着いてDRZを極めようと、腰を据えて取り組むことができました。(笑)


おっと、話がかなりそれましたが、エクストリームの練習、特にストッピー系については焦らずじっくりDトラやDRZでやってほしいと言う話ですね。

極端な話、エクストリーム検定制度を作って、SSへの移行の条件の一つとして、Dトラでのストッピー50m以上という制限を作りたい!!(笑)

エクストリームの現在の一般的なレギュレーションは600cc以上がトップカテゴリーで、周りの人たちを見ているとだいたい、練習を始めて2~3年でこのクラスに行く人が多いです。

他のモータースポーツをみても、おそらくトップカテゴリーまで到達するのに2~3年というのは稀でしょう。5年とか10年をかけて徐々にステップアップしていくものでしょう。

WGPにしても、125ccや250ccを経てモトGPクラスに行くわけですし、F1にしてもカートから始まり、F3、F2などで揉まれてから最終的にF1に行くわけですね。

エクストリームバイクはまだまだ歴史の浅いジャンルなので、しょうがない部分もありますが、今後、エクストリームが他のモータースポーツのように成熟したものになるためにも、また、チャラチャラしたものではなく、実に奥が深いモータースポーツであるということを、一般の人に認識を持ってもらうためにも、あえて今の風潮にくぎをさしておきたいと思うのであります!!

トップカテゴリーである600ccクラスはそんな簡単なもんじゃないぞ、ということを今後新たにエクストリームを始める人たちには言いたいです。

最低3年はDトラを乗り倒せ!!と。

かく言うわたくしもまだまだDRZでやるべきことはたくさんあると思っております。

アメリカ人がみんなSSでやってるからといって、日本とアメリカではそもそもエクストリームバイクの歴史が違うので、焦る必要はないのです。

昨年10月に開催された第二回JBN(ジャパンバイクナイト)という実質的な全日本大会で、おかげさまでロンゲストストッピー部門で準優勝できたのですが、自分のようなパッと出の新橋の飲んだくれのおっさんがいきなり準優勝できるのですから、(SSに比べて加速力やフロント回りのポテンシャルで劣るモタード車両にも関わらず)やはり日本人ライダーのストッピー系スキルレベルの低さを物語っているのではと思われます。
決して他のエクストリームライダーを見下してるわけではありませんよ(^-^;

例えば欧米ではSSで100m級のストッピーをするライダーはうじゃうじゃいますが、日本ではおそらく木下さんくらいのものでしょう。
(まあ、国土の広いアメリカに比べて日本は練習場所の問題もあるでしょうが。)


例えば筋トレをするときの注意事項として聞いたことがありますが腹筋を鍛えたければ、背筋はその3倍やれと。腹筋は日常生活の中で普段から何気に使っているが、背筋は意識しなければなかなか使わない。
エクストリームで例えるとウィリーが腹筋とすればストッピーは背筋かと。
バイクに乗る人は誰しもウィリーのジャレゴトくらいはするし、感覚としてなんとなくわかるけど、ストッピーをなんとなくやってみようというライダーはあまりいないでしょう。
だから普段の練習でもストッピーはウィリーの三倍とは言わないまでも、ある程度は時間を割いてやっていただきたい。

日本のエクストリーム業界の発展のためにも、ストッピー系スキルの底上げを図って行けたらと思います。
(もちろんアクロバット系やバーンナウト系の底上げも重要ではありますが、まずはウィリー系と同じく基本であるストッピー系から)
そして欧米のライダーたちをあっと言わせてあげようじゃありませんか~!!

そして、同じエクストリームチームに所属する隊員のアンジェリーナ・トニー・チャップリン・スタローン・Jr.に敢えて苦言を呈したい!
基本に立ち返ってDトラでシッティングサークルからやり直しなさい!(笑)

長文失礼しました。

しばらくブログ書きません・・・(笑)