栄養疫学EBN最前線~科学ニュースや論文を斜め読み~
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疫学とは何か、を西内啓さんに学ぶ

西内啓さん、知っていますか?「統計学は最強の学問である」を執筆された方です。

この本を読んで、疫学のすばらしさを知るきっかけとなりました。

 

西内さんの講演に行く機会があり、そこでおっしゃっていたことがわかりやすかったので、スライドにしてみました。

 

無題

 

医師の経験では、急性心筋梗塞発症後に不整脈で亡くなっている患者がいっぱいいる ので、

急性心筋梗塞後に不整脈を防ぐ薬を投与すれば、死亡者を減らせるはず 

と長い間「常識」として考えられていました。

 

ところが、それを疫学研究で検証した結果、 偽薬を飲ませた方が生存率は高く「経験は間違っていた」ことが実証されました。

 

このように、経験でなく、質の高い研究により、実証された情報こそが真実に近いと考えます。

 

これをEvidece(科学的根拠)といい、このEvidenceに基づく医学をEBM(Evidence of medicine)、栄養をEBN(Evidence of nutrition)といいます。

 

そして、その根拠は下の出典や引用論文です。

これにより、科学的検証がなされたといえるのです。

ただし、論文によっては???のものもあります。

 

このブログでは、栄養疫学の権威である佐々木敏先生の発信する情報なども含めて、いろいろな論文を自分なりの見解でお話しできればと思います。

食塩摂取が少なすぎると心疾患になりやすい!食事摂取基準2015に物申す!

現在の食塩摂取基準は、男性9g、女性7.5gですが、来年度からはじまる「食事摂取基準2015」ではさらに低く、男性8g、女性7gとなります。
しかし、WHOでは6g未満、高血圧の人も6g未満と、世界基準では6g未満が推奨されているのですが、日本では現状が10~12g摂取しているということから、現実的な数字で「男性8g、女性7g」に設定されたということなので、食塩摂取量は、低ければ低いほどいいという説明を「食塩摂取基準2015」説明会(京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授. 木戸 康博先生)でしていただきました。
ところが、この結果に物申す最新の疫学調査が、N Engl J Med *の8月14日(2014 Vol. 371 No. 7)に掲載されていましたので、紹介します。日本語概要

※元ネタは、安田女子大学 箱田雅之教授の講演会(2014年10月25日、於:奈良女子大学)からです。


【方法】
17 ヵ国の 101,945 人から朝起きてご飯を食べるまでの尿を採取し,24 時間ナトリウム・カリウム排泄量を推定.
尿中ナトリウム・カリウムの推定排泄量と,死亡および主要心血管イベントの複合転帰との関連を検討しました.

【結果】
推定食塩換算量が10.2g~15.1g(ナトリウム排泄量が4.00~5.99 g/日)の場合と比較して、多い(≧15.2 g/日)場合は、1.06倍、1.15倍とたくさん摂取するほどリスクが上昇し、食塩摂取が多いと心血管疾患のリスクが高くなることが推測されました。
と、ここまでは、当然の結果です。ここから、下のグラフをもう一度よ~く見てください!
7.6g/日未満の場合、1.19倍と多過ぎるよりもリスクが高くなっています!


つまり、塩分摂取が少なすぎたら、心血管疾患リスクが上昇するんです!
冒頭の食事摂取基準2015の基準、WHOの基準を思い出してください。
実は、食塩摂取6.0g未満ってやばいんちゃうの???
今でちょうどいい感じかも?

ただし、間違えないで欲しいのは、『高血圧は、食塩摂取が少なければ少ないほど、リスクは低くなります。』
あくまでも、心血管疾患リスクが食塩摂取量と必ずしも相関しないということです。

原因は、食塩摂取が少なすぎると、レニンアンギオテンシンアルドステロン系活性が起こり、動脈硬化に悪い影響があるのではと箱田教授はおっしゃっていました。

あと、カリウムの摂取量は多ければ多いほど、心血管疾患リスクが減少しました。
このことから、野菜はたくさん食べるといいということですね!
野菜をたくさん食べるとNaを尿中に流してくれるので、減塩効果もあります。長寿で知られている長野県は、Na摂取も多いが、カリウム摂取も多いので知られています。(漬物文化だから?)
私が住んでいる奈良県は、野菜摂取量が女性ワースト2位、男性ワースト8位です。
奈良県では、減塩を県あげての対策として取り組んでいますが、「塩分減らす」というより「野菜を増やす」という視点が大切だと個人的に思っていましたが、今回の調査結果で「やはり」という感じです。

野菜摂取量の目標は、1日350g!
手ばかりで1日山盛り3杯(ゆでれば、グーで3つ分)の野菜を食べましょう♪。


*;『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(英語:The New England Journal of Medicine、略称:N Engl J Med または NEJM)は、マサチューセッツ内科外科学会によって発行される、英語で書かれた査読制の医学雑誌である。継続して発行されている医学雑誌のうちでは世界で最も長い歴史を誇り、また世界で最も広く読まれ、最もよく引用され、最も影響を与えている一般的な医学系定期刊行物となっている。日本版は1997年より南江堂から発行されている。(引用元:wikipedia)日本語概要版は、南江堂サイトから引用しました。

育毛には栄養が一番大切!

このテーマにしたのは、マイミクのぴるろさんが「頭がハゲない食べ物教えて下さい」という質問がきっかけです。

そこで、育毛サロンや育毛剤、はたまた「カツラ」に頼らない育毛のための栄養・食事をじっくりと考えてみました。


世間一般の育毛サロンや育毛剤は、身体の外から血行をよくしたり皮脂を取り除くことによって頭皮の環境を整えるということが主流です。

もちろんそれも間違っていないとは思います。


私も実際問題、出産してからすぐはイヤというほど毛が抜けました。

ちょっとまとめたら「ハゲ」てるぅ~という感じさえしました。

そのときに、ちょっとした言葉で励まされました。

髪は「栄養を外に出さないために抜けてる」と。

「髪を育てるための栄養素を温存するために本数を減らして生えないようにしているんだ」と。

授乳に栄養をとられるので髪にまわさないように体が調整している・・・。

もしかしたら、他の抜け毛もこのような現象と同じではないかと考えたのです。

つまり、髪に栄養がいきわたりやすくしなければいけないということなのです。

髪に必要な栄養素をとればいい!ということになります。


では私たちは、普段の食生活から髪に必要な栄養素を取れているのでしょうか?

頭髪の栄養は血液と共に運ばれてきます。

栄養は食べ物で摂りますから、私たちの食生活も育毛に大いに関係していると言えます。

この機会に、毎食何気なく摂っている食事をあらためて見直してみましょう。

人間が摂らなければならない栄養素は、たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルの5つに別けられます。

ここでは、特に育毛に関係のあるビタミン・ミネラルを紹介しますので参考にして下さい。


これらを特別に多く摂るということではなくて、あくまでも参考にされて、栄養のバランスを良く考えられて食生活を見直されてはいかがでしょう。


■健康な髪になくてはならない栄養素「亜鉛」


亜鉛とは食事でとるたんぱく質を骨や筋肉、髪の毛や臓器の組織に変えるために絶対不可欠なものなのです。
ということは、どんなにバランスのよい食事を取ったと思っていても亜鉛がない限り栄養素は髪の毛にもいきわたらないということです。


特に問題なのがたんぱく質の合成ができないということ。ご存知のように髪の毛はケラチンというたんぱく質でできています。亜鉛がないとたんぱく質が合成できないので、抜け毛が増え、新たな髪が生えてこないという髪のトラブルが発生します。


また、健康な髪は表面がクチクラと呼ばれるウロコ状の物質に覆われています。

亜鉛不足になるとクチクラの生成に異変が起こりすぐに切れてしまうモロイ髪になってしまいます。


最近でこそ話題になっている亜鉛ですが、実は人間の身体にとって不可欠で、しかも日本人が一番不足しがちな栄養素なのです。

また、男性に特に必要かつ、不足しがちな成分です。

というのも、亜鉛は、


1)生命の維持、
2)男性ホルモンを作る
3)精子を作る
4)髪の組織を作る


という順番で使われるからです。

よく精力が強い人は髪が薄い、などといううわさが広まっていますが、あながち間違いではないようですね。


亜鉛などの人間の成長や髪に必要な必須ミネラルは体内で作ることができないため食事から摂らないといけません。

しかも、亜鉛は他のミネラルに比べて意識していないととりにくく、実際には必要な量をとっているのはわずか23%、日本人成人男性の90%以上が不足(成人男性の一日に必要な亜鉛の量は12mgといわれています。)しているといわれています。

また、困ったことに亜鉛というのは吸収率がとても悪い栄養素なんです。実際に体内に吸収される量はごくわずか。

しかも、身体によいと思われるカルシウムと食物繊維と一緒に身体の外へ出て行ってしまうのです。

逆に亜鉛を効率よく吸収するために必要なものは、ビタミンCとクエン酸。

ということは、亜鉛が豊富な牡蠣をレモンやすだちなどのかんきつ類をかけて生で食べるのが一番吸収率が高いということです。


また、いろいろなものにごまやのりをかけたり、巻いたりして食べるのもいいかもしれませんね。

ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類にも亜鉛が含まれています。お酒を飲む方は特に亜鉛が不足するので、ナッツ類をおつまみとしてとるようにしましょう。

嫌いでなければ、うなぎやレバーを意識してとるようにしてみましょう。

ただし、こればかり食べていると「コレステロール」が上昇したり、脂質摂取が過剰になって「メタボ」の危険がありますので、あくまでも「バランス」よく食べましょう!


また、亜鉛は摂取しすぎても毒性が低いミネラルです。(逆にセレンやマグネシウムは摂取しすぎると体に悪影響が強い)ですから足りない方はサプリメントで補うのもいいかもしれません。

今はコンビニなどで気軽に買えますので、亜鉛をサプリメントで取るのも一つの方法です。

亜鉛 30日分【栄養機能食品(亜鉛)】

もし育毛サプリメントをお求めのあなたは、必ず亜鉛の配合されたものを選びましょう。(入っていないものがあれば止めたほうがよいでしょう)


■ビタミンB

ビタミンBは身体の細胞の代謝を促進させます。よく機械の潤滑油に例えられるのはそのためです。毛母細胞の細胞分裂を活発にするためにも、ビタミンBは欠かせません。




主な働き とくに多く含む食材
ビタミン ビタミンA 皮膚や目を健康に保ち、免疫力を守る。動物性食品に多いレチノールのほか、緑黄色野菜などに多く含まれる植物性のカロテン類(ベータカロテンなど)がある。カロテン類には抗酸化作用作用も。 鶏レバー、豚レバー、焼きのり、うなぎの蒲焼など
ビタミンB2 健康な皮膚や髪をつくり成長を促進。不足すると口内炎や口角炎が出来る。さまざまな栄養素がエネルギーに変わるのを助ける。乳製品や肉類などのほか、納豆や野菜にも幅広く含まれる。 鶏レバー、豚レバー、牛レバー、干ししいたけ、干しひじき
ビタミンB6 食事から体に必要なたんぱく質を再合成し、成長を促進する。不足するとアレルギー症状が出やすいと言われる にんにく、ピスタチオ、ミナミマグロ赤身、牛レバー、カツオ
ビタミンE 有害な活性酸素を取り除く抗酸化作用。毛細血管の血行をよくする働きがあり、育毛はもとより冷え性の人にも関係があるといわれる。 アーモンド、綿実油、サンフラワー油、アンコウの肝、ピーナツ
パントテン酸 脂質や糖質、たんぱく質の代謝にかかわる。ストレスへの抵抗力をつけるビタミンで、不足すると髪のつやがなくなったり、白髪になりやすいという特徴がある。ストレスや風邪を引きやすい人にはおすすめ 鶏レバー、豚レバー、牛レバー、タラコ、納豆
ナイアシン エネルギー代謝やアルコール分解など。不足すると食欲減退などになる。皮膚と精神のビタミンと言われている。血液の循環も良くするといわれる。 カツオ削り節、辛子明太子、キハダマグロ、ピーナツ、干ししいたけ
イノシトール 抜け毛を防ぐ。動脈硬化の予防効果もあるといわれる。 オレンジ、スイカ、メロン、グレープフルーツ
ビオチン 皮膚や毛髪を健康に保つ 卵、レバー、イワシ、ナッツ類、カリフラワー
パラアミノ安息香酸 皮膚と毛髪を若く保つ働きがある。 レバー、卵、牛乳、玄米、胚芽パン
ミネラル セレン 抗酸化作用があり老化を遅らせる。 わかざぎ、いわし、かれい、帆立貝
造血に不可欠。ビタミンB群の代謝に関係する。 胚芽、レバー、魚、卵
マンガン 白髪やハゲの予防するビオチンの作用を助ける。 アーモンド、そば、するみ、ほうれん草
カルシウム 神経の興奮を鎮める ヨーグルト、スキムミルク、牛乳などの乳製品、小魚
マグネシウム 精神を安定させるので、ストレスの多い人に アーモンド、ナッツ、大豆
イオウ 健康な皮膚、爪、髪を作る。 魚や肉、卵、牛乳などたんぱく質の豊富な食品に含まれる。
亜鉛 脱毛を防ぐ働きがある。生命の維持。男性ホルモンを作る。精子を作る。髪の組織を作る。 牡蠣、牛もも肉、豚レバー、うなぎ、納豆、アーモンド、高野豆腐、いわし、ごま

ビタミンの働きを理解しよう

夏ですね~!

この時期、暑い暑いといってそうめんばかり食べていませんか?そうめんは確かにのどこしもよくって、夏には欠かせない食べ物ですが、それだけでは、「糖質」に偏りすぎてしまい、かえってエネルギーをうまくまわすことができなくなります。さらに汗をかくことで、ミネラル分も失われていきます。だからこそ、「ビタミン・ミネラルの補給」が大切になってきます。

では、今回は、ビタミン全13種の働きについてまとめてみます。

主な働き とくに多く含む食材
脂溶性 ビタミンA 皮膚や目を健康に保ち、免疫力を守る。動物性食品に多いレチノールのほか、緑黄色野菜などに多く含まれる植物性のカロテン類(ベータカロテンなど)がある。カロテン類には抗酸化作用作用も。 鶏レバー、豚レバー、焼きのり、うなぎの蒲焼など
ビタミンD カルシウムの吸収を手助けし、骨や歯の形成を支える。子どもで不足するとくる病、女性や高齢者で不足すると骨粗しょう症の原因に。魚介類やキノコ類に多い。 乾燥キクラゲ、アンコウの肝、シラス干し、イクラ、クロカジキ
ビタミンE 有害な活性酸素を取り除く抗酸化作用 アーモンド、綿実油、サンフラワー油、アンコウの肝、ピーナツ
ビタミンK 血液を凝固させて出血を止める止血作用。緑黄色野菜や納豆などの発酵食品に多い わかめ、モロヘイヤ、納豆、あしたば、バジル、焼きのり
水溶性 ビタミンC 血管や皮膚を守るほか、活性酸素を取り除く抗酸化作用も。喫煙やストレスで失われやすい。野菜や果物に多い 赤ピーマン、芽キャベツ、黄ピーマン、菜の花、レモン、カリフラワー
ビタミンB群 ビタミンB1 糖分をエネルギーへと変換するのに必要。不足すると疲れやすくなったり、イライラしたりする。玄米などに多いことで知られる。 豚ヒレ肉、いりごま、ボンレスハム、うなぎの蒲焼、たらこ
ビタミンB2 さまざまな栄養素がエネルギーに変わるのを助ける。乳製品や肉類などのほか、納豆や野菜にも幅広く含まれる。 鶏レバー、豚レバー、牛レバー、干ししいたけ、干しひじき
ビタミンB6 食事から体に必要なたんぱく質を再合成し、成長を促進する にんにく、ピスタチオ、ミナミマグロ赤身、牛レバー、カツオ
ビタミンB12 赤血球を作るのを手助けして貧血を予防。動物性食品に含まれる シジミ、赤貝、焼きのり、牛レバー、アサリ
パントテン酸 脂質や糖質、たんぱく質の代謝にかかわる 鶏レバー、豚レバー、牛レバー、タラコ、納豆
ナイアシン エネルギー代謝やアルコール分解など。不足すると食欲減退などになる。 カツオ削り節、辛子明太子、キハダマグロ、ピーナツ、干ししいたけ
葉酸 赤血球の生産にかかわる。胎児や乳幼児の発育にも重要。緑黄色野菜に多い。 焼きのり、鶏レバー、牛レバー、ウニ、菜の花
ビオチン 皮膚や毛髪を健康に保つ 卵、レバー、イワシ、ナッツ類、カリフラワー

妊娠期の食事について

ninpu 今、私は2人目を妊娠中です。7/3に出産予定で今日で39週です。

実は、1人目は平成13年に出産。6年ぶりの妊娠なんですが、6年前は、「体重増加は8kgまで!」「小さく産んで大きく育てよう!」的な指導が一般的。体重増加もすごくうるさかったんです。


ところが、今、時代は大きく変化!低体重児といわれる2500g未満の赤ちゃんの出生が増えたこと、また、胎児で体重が増えなかったら、成人した時に肥満になりやすいことなどが外国の研究結果で明らかになり、日本でも問題視されるようになってきたのです。


また、私も実際、「マタニティ教室」を担当し、実際たくさんの妊婦さんの食事記録などを見せてもらって実感しているのですが、若い女性の食生活が大きく変化してきた!というのはあります。朝食を抜く人、昼はコンビニや単品(ざるそば・ラーメン・パスタなどなど)でカンタンにすませ、ダイエットのために各種栄養素の摂取量が必要量を下回る人が増えています。それでいて、なぜかおやつは食べていたりして、その矛盾ぶり!

食品の選択や食事の準備のために必要な知識や技術が不足している人も少なくないような気がします。

さらに特徴的なのが、低体重(やせ)の人が増加している点です。また、おしゃれな妊婦!体型くずさず!的な風潮もあるような気がします。
「近年の低出産体重児(2500g以下)の増加は、こうした背景などともかかわりがあるものと考えられます」と「食を通じた妊産婦の健康支援方策研究会」座長で、国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹の吉池信男氏も話しています。


健康な子どもを産み育てるためには、妊娠前からやせすぎや肥満にならないように、バランスのよい食生活を続けることが大切です。私も、最低限の栄養素はとってもらいたい!ということで、この3点を妊婦さんたちにお話してきました。

●3食きちんと食べましょう!

●1回の食事で1汁3菜(主食・主菜・副菜)をそろえましょう!
●緑黄色野菜・海藻類・大豆、大豆製品を意識してとりましょう!


また、厚生労働省が平成18年2月1日に「妊産婦に対する食生活指針を作成し、妊娠期や授乳期に何をどれだけ食べたらよいかをわかりやすく伝えるために、1日の食事の目安となる「妊産婦のための食事バランスガイド」と「推奨体重増加量」を示しました。


妊産婦のための食生活指針」


妊娠期および授乳期は、お母さんの健康と赤ちゃんの発育にとても大切な時期です。この指針では、妊産婦が注意すべき食生活の課題を明らかにした上で、妊産婦の生活全般およびからだや心の健康に配慮した9項目を設定しました。


【妊産婦のための食生活指
○妊娠前から、健康なからだづくりを
○「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
○不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと
○からだづくりの基礎となる「主菜」は適量を
○牛乳・乳製品などの多様な食品を組み合わせて、カルシウムを十分に
○妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に
○母乳育児も、バランスの良い食生活のなかで
○たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう
○お母さんと赤ちゃんの健やかな毎日は、からだと心にゆとりのある生活から生まれます


【「妊産婦のための食事バランスガイド」と「推奨体重増加量」について】
 食生活については、理想的な食事の組み合わせや量を「妊産婦のための食事バランスガイド」で示しました。

例えば、妊娠中期では副菜、主菜、果物を1つずつ増やすことをすすめています。

また、低出生体重児の割合が増加傾向にあり、体格が「低体重」や「ふつう」の女性で、妊娠中の体重増加量が7kg未満の場合、低出生体重児を出産するリスクが高いことも指摘されています。そのため、妊娠中の体重増加の目安となる「推奨体重増加量」を定めました。


【栄養摂取の留意点】
神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するために葉酸摂取を推奨しています。

葉酸はビタミンB群に属する水溶性のビタミンで、緑黄色野菜をはじめ、豆類、果物などの身近な食品に多く含まれています。

腸内細菌によっても合成されるので、欠乏にはなりにくいとされていますが、体内における蓄積性が低いことから、毎日摂取することが必要です。

妊娠1か月以上前から3か月までの間、葉酸を多く含む栄養のバランスのとれた食事が必要だと指摘しています。

妊産期には葉酸の必要摂取量が増大することから、緑黄色野菜、豆類、果物などを摂取し、足りない分は栄養補助食品やサプリメント などで補いましょう。


ビタミンAは脂溶性のビタミンで、レバーなどに多く含まれています。過剰に摂取すると、脂溶性であるために体内に蓄積されて頭痛、吐き気などを引き起こすことがあります。妊娠を計画していたり、妊娠している時は、催奇形性のおそれがあることから、サプリメントなどの使用によるビタミンAの過剰摂取を避けるように注意喚起しています。


ビタミンCやカリウム、食物繊維などの供給源である果物や野菜を毎日十分に摂取することを心がけましょう。

                                        


土台は昨年公表の「食事バランスガイド」


 妊産婦は胎児の発育のためにエネルギー、各栄養素ともに多く摂取する必要がある。指針では、2005年に公表された「食事バランスガイド」(前回のブログ参照) を土台にもちい、「妊産婦のための食事バランスガイド」として、妊娠初期(16週未満)・妊娠中期(~28週未満)、妊娠末期~授乳期(28週以降)の付加量を示したものです(図1 )。

「基準は妊娠していない成人女性の適量(2000~2400kcal)です。とかく妊娠がわかってから付加する部分に注目しがちですが、要となるのは土台(妊娠前の食事)の部分です。子どもがほしいと思ったら、食生活の見直しから始めていただきたいと思います」(吉池氏)

ガイドを参考に食事をすれば、エネルギーや栄養の量とバランスはほぼとれる。しかし、鉄だけはどうしても不足してしまいます。

「鉄は妊娠中には、非妊娠時の倍近くの量(19.5mg)をとる必要があります。鉄の豊富な食品をプラスして積極的な摂取を心がけてください」(吉池氏)

ガイドの中では、妊娠・授乳中の喫煙、飲酒が胎児や乳児の発育などに影響することも示し、注意を呼びかけています。

今、ビールのラベルなどにも注意事項としてちゃんと書いてあります。メーカーさんに感謝!です。


  1日分付加量
  非妊娠時 妊娠初期 妊娠中期 妊娠末期
授乳期
主 食 5~7つ(sv) +1
副菜 5~6つ(sv) +1 +1
主菜 3~5つ(sv) +1 +1
牛乳・乳製品 2つ(sv) +1
果物 3つ(sv) +1 +1
koma

料理例
主食 【1つ分】ごはん小盛り1杯・おにぎり1個・食パン1枚・ロールパン2個
【1.5つ分】ごはん中盛り1杯
【2つ分】うどん1杯・もりそば1杯・スパゲティ1皿
副菜 【1つ分】野菜サラダ・きゅうりとわかめの酢の物・具だくさんみそ汁・ほうれん草のおひたし・ひじきの煮物・煮豆・きのこソテー
【2つ分】野菜の煮物・野菜いため・芋の煮っころがし
主菜 【1つ分】冷ややっこ・納豆・目玉焼き1皿
【2つ分】焼き魚・魚の天ぷら・マグロとイカの刺身
【3つ分】ハンバーグステーキ・豚肉のしょうが焼き・鶏肉のから揚げ
牛乳・
乳製品
【1つ分】牛乳コップ半分・チーズ1かけ・スライスチーズ1枚・ヨーグルト1パック
【2つ分】牛乳びん1本分
果物 【1つ分】みかん1個・りんご半分・柿1個・なし半分・ぶどう半房・桃1個

神経質にならず、おおらかに指針の実行を

指針のもう一つの柱は、「推奨増加体重量」の提示です。

先ほどお話したように6年前までは、体重増やすな!8kgまで!みたいな指導がもともとやせていた妊婦(私は妊娠前42kgです。決して太っているとはいえませんよね)にも行われていたのです。

でも、今回は下の推奨値の表で見ていただきたいのですが、12kgまでOK!現在.52kgの私は余裕でセーフです!(前ならアウトですが・・・)

「妊娠前に低体重だったり、妊娠中の体重増加が少ないと低体重児が生まれやすくなり、妊娠前に肥満だったり妊娠中の体重増加が多いと妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になりやすくなることから、一定の目安を示し、注意を促しています」(吉池氏)

そこで国内外のデータをもとに、妊娠前の体格別に増加量の推奨値を示しています(下図)。

「指針の内容を“こうでなければならない”と神経質に受け止めるのではなく、母子ともに健やかな生活を送るための一助としておおらかに受け止め、活かしていただきたいですね」と吉池氏は語っています。

体格 推奨体重増加量
妊娠中期~末期 全期間で
低体重 BMI18.5未満 0.3~0.5kg/週 9~12kg
ふつうBMI18.5以上25.0未満 0.3~0.5kg/週 7~12kg
肥満 BMI25.0以上 個別対応 個別対応

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

(記事提供:保健同人社)


もし、妊婦さんで食事のこと、体重のこと、何か心配があれば、相談にのりますので、お気軽にコメントくださいね!

ただし、出産しているかもしれないので、お返事が遅れたらすみません≧(´▽`)≦


食事バランスガイド

健康的な食生活のめやすが一目で分かる
食事バランスガイド

ライフスタイルの変化などによる「食」の多様化により、従来の米食を中心とした日本式の食事にも変化が現れています。また、一人暮らしだったり、家族がそれぞれ別に食事をとったりしている場合、食生活が偏りがちになり、肥満や生活習慣病の要因となっています。「食事バランスガイド」は、こうした偏りがちな食生活を、バランスのよい食生活に近づけて行くための、めやすとなるものです。

◆健康は食生活から

 近年、野菜の摂取不足、食塩、脂質のとり過ぎなどの生活上の問題や、

肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加の問題が深刻化しています。

 例えば、平成14年の調査(※厚生労働省「平成14年国民栄養調査」)によると

「30~60歳代の男性の約3割は肥満」という結果がでています。

この結果を20年前の調査結果と比べると、その数は全体の比率で

およそ1割程度、増加しています。また、子どもの肥満も増えてきています。

毎日の健康は、食生活が基本です。

こうしたことから、健康的で望ましい食生活と自らの食生活を、

具体的な行動に結び付けるためのガイド となる「食事バランスガイド」が、

平成17年6月に公表されました。


◆正しく回そう食生活の「コマ」

 「食事バランスガイド」は、全体が「コマ」の形で表現されています。

コマの本体は、1日の食事のバランス、軸は必要な水分、そして、

コマを回転させるのは、適度な運動です。

 コマは、食事バランスと適切な運動が与えられて、初めて安定して回転します。

偏りのある食事をとった場合、コマのバランスが崩れてしまい、

私たちの健康も保てなくなってしまうのです。

 「5つの区分をバランスよく食事に組み込むこと」「十分な水分をとること」

「お菓子やジュース、お酒などの嗜好飲料は楽しく適度に」、

そして「適度な運動を行うこと」。

このようにして、正しくコマを回転させることが、

あなたの健康的な食生活につながるのです。


◆例えばこんな使い方

 一人暮らしをしている人の場合、食事の時間や栄養バランスが偏りがちになります。
 特に、野菜などの副菜は、常に不足しがちです。

 例えば、忙しい朝の食事を「おにぎり一個(1SV)」「牛乳コップ半分(1SV)」

「みかん一個(1SV)」で簡単に済ませたならば、昼と夜の食事で、

野菜などの副菜を5~6つ(SV)意識的にとるようにしましょう。

中食などの調理済みの食品を上手に利用することで、

料理をする時間のない人でも、多くの種類の食品をとることができます。

 また、昼に外食で脂質の多い主菜を食べた場合には、

夜は肉類などの主菜を抑えた食事にしてみるなど、

バランスガイドを元にした食事の組み立てを行うようにしましょう。 



baransu




◆バランスガイド5つの区分

(主食)ごはん(中盛り)だったら4杯程度
 ごはん、パン、麺・パスタなどは炭水化物の供給源となるものです。

「おにぎり1個」「ごはん小盛り1杯」「食パン(4~6枚切)1枚」が「1つ(1SV)」の

めやすです。

主食は人間の活動のエネルギー源となるもの。

摂取量も1番多く、1日にとる量は「5~7つ(SV)」が適量とされています。 


(副菜)野菜料理5皿程度
 野菜やきのこ、いも、海藻などは、各種のビタミンやミネラル、

食物繊維の供給源となるものです。

野菜サラダやお浸しの小鉢が「1つ(1SV)」のめやすで、

1日に「5~6つ(SV)」が適量です。

不足しがちな料理なので、毎日の食事に意識して取り入れて行きましょう。


(主菜)肉・魚・卵・大豆料理から3皿程度
 肉や魚、卵、大豆などを使った料理は、体をつくるたんぱく質の

供給源となるものです。

鶏卵を使った目玉焼きが「1つ(1SV)」のめやすで、

1日にとる量は「3~5つ(SV)」が適量です。

洋風の食生活では主菜を多めにとりがちです。

脂質の多い肉料理などを食べた場合には、食事のバランスを考えて、

そのほかの食事の際に、上記のめやすよりも主菜を少なめにするようにしましょう。


(牛乳・乳製品)牛乳だったら1本程度
 牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品は、

骨などをつくるカルシウムの供給源となるものです。

牛乳コップ半分が「1つ(1SV)」のめやすで、

1日にとる量は牛乳びん1本分の「2つ(2SV)」が適量です。

コーヒー牛乳など、ほかの食品と併せてとってもOK。


(果物)みかんだったら2個程度
 りんご、みかんなどの果実や、すいか、いちごなどの果実的な野菜は、

ビタミンCやカリウムなどの供給源となるものです。

みかん1個、りんご半分が「1つ(1SV)」のめやすで、

1日にとる量は「2つ(2SV)」が適量です。



海外にもあるフードガイド

 日本における「食事バランスガイド」にあたるものが、

海外でも数多く発表されています。

例えば、米国ではピラミッド型のフードガイド、

中国では五重塔型のフードガイドなど、各国の食生活指針や食文化などを

反映して策定されています。

 日本の「食事バランスガイド」は、1日にとるめやすの量を食材量ではなく、

料理の区分別に提示することで、複雑な計算をしなくても、

食事料が適量か否かをおおよそ把握できることが特徴となっています。

ラクトフェリン

ラクトフェリンは母乳や牛乳に微量に含まれるたんぱく質です。
約700個のアミノ酸からなるたんぱく質で、鉄を含むため見た目は赤みがかかっています。

大半の哺乳動物の乳に含まれていますが、その濃度はまちまち。
牛乳だと1リットルあたり0.1~0.2gですが、人の母乳だと2~4g、出産直後の初乳に限ると6gもあります。

病気を引き起こす細菌の活動を抑え込み、免疫力を引き上げるパワーがあるとされています。
最近はがん予防やC型肝炎の治療に利用できるのでないかと実験・研究が盛んです。

赤色たんぱく質として初めて学術論文に登場したのが、約65年前。
最初、細菌など微生物の増殖に待ったをかける「静菌作用」が見つかり、1980年代から90年代にかけて殺菌作用があることもわかりました。

今、国内で最も注目されている研究ががん予防への応用です。

では、ラクトフェリンをとるにはどうすればいいのでしょうか?

食品だとチーズを食べると摂取できるといわれています。
ナチュラルチーズだと1kgあたり0.5~2g含まれています。

ただ、ラクトフェリンは熱に弱く、牛乳だと殺菌処理の過程で分解されてしまうため、いくら飲んでも摂取は難しいそうです。
ラクトフェリンの入ったヨーグルトや粉ミルクも出回っており、手ごろな値段で買うことができます。
効率よくたくさんの量をとりたい人は、サプリメントに頼ることになります。
こちらでご紹介していますhttp://wakudoki.fc2web.com/rakuto.htmが、科学的にみて本当に効果があるのか研究途上の現状で、過度な期待はやめましょう。





著者: 安藤 邦雄, 木元 博史
タイトル: 免疫力を鍛えるラクトフェリン

デトックス

体の中にたまった有害な重金属や余分なミネラルなどを排除する「デトックス」と呼ぶ健康法が注目されています。
重金属が蓄積されると微量であっても高血圧や肥満といった生活習慣病につながるそうです。
これらを取り除くポイントの第一は食生活の改善
体に重金属がどれほど蓄積されているかを調べるサービスもあります。

「デトックス」とは解毒や浄化という意味で、体の中にたまっている毒素を排除する健康法のことをいいます。
「体調がよくなる」、「肌が若返る」、「生活習慣病の予防になる」
などの効果があるとされ、健康雑誌などで目にする機会も増えてきました。
足りない栄養素を補う足し算のサプリメントに対し、余分なものを取り除く引き算がデトックスの考え方。

食品や水道水などを通じて体内には鉛やアルミニウム、ヒ素などが体の細胞のたんぱく質などとくっつくことで蓄積。
最近の研究では、中毒症状を起こさないわずかな量でも体に悪影響をおよぼすことがわかってきました。脂肪を分解する酵素の働きを妨げるため、ダイエットしにくくなることもあるそうです。

有機水銀が胎児の健康に影響を及ぼす恐れがあるとして、厚生労働省は妊婦などに有機水銀を多く含むキンメダイなど深海魚や大型魚の摂取量を控えるようにと注意を促しています。
ただ、重金属は魚をはじめ身近な食品に含まれているため、0にするのは不可能。有害物質を蓄積せず、排出することが重要になります。

まず、効率よく排出する食事を心がけることです。
ゴボウやこんにゃくなどに含まれる食物繊維は余分なミネラルを体内に取り込まれるのを防ぐ働きがあります。

玉ねぎやりんご、コリアンダー、ニラ、にんにくなどは重金属を捕らえて対外に排出する。

肝臓の解毒力を高める亜鉛やセレンを含む緑黄色野菜などと組み合わせて、取り込まれた毒素を排出するのが効果的。

魚は脂肪の多い大型魚は控えめにし、近海の小型魚を食べるように心がけるといいですね。大型魚は焼くか蒸すかなどの調理法で脂肪分を落とすことで、ある程度重金属を取り除けるようです。

ちなみにサプリメントはこちらでご紹介しています。
http://wakudoki.fc2web.com/detox.htm




著者: 大森 隆史
タイトル: デトックスで体内浄化―毒を出してやせる!キレイになる!病気が治る!



著者: 大森 隆史
タイトル: 植物マルチミネラル「体内浄化(デトックス)」健康法―一目でわかるミネラル情報決定版

6つの基礎食品

人は健康を維持するために大切な、たん白質・糖質・脂質・ミネラル・ビタミン等の栄養素を食べ物を通して摂取しています。
しかし、1つの食品では全ての栄養素を得ることはできません。
そこで、日常の食生活にて様々な食品を上手に組み合わせて食べることが必要になってきます。

そこで、「バランスよく食事をする」ために「6つの基礎食品」という分類方法で覚えるとわかりやすいのでここでカンタンに解説したいと思います。

「6つの基礎食品」とは、栄養面で同じような働きをする食品を1グループにまとめたもので、毎日の食事にそれぞれの食品群から1~2品を食べるようにすれば、誰でも簡単に栄養バランスのとれた食事ができるというものです。

まず、は食品を
」・・・血・肉・骨などをつくる体のもとになる

」・・・エネルギーのもとになる

」・・・からだの調子をととのえる

という3つの働きに分類します。
そして、さらに栄養素別に6つの食品群へと分類します。

★1群★
主にたんぱく質を多く含む食品
肉類・魚介類・豆類・みそ・卵など
主菜になるもの

★2群★
主にミネラル(カルシウム、鉄など)を多く含む食品
牛乳、乳製品・海藻・骨ごと食べられる小魚など

★3群★
主にカロテンを多く含む食品
緑黄色野菜
ほうれん草やにんじんなど切り口の色が濃いもの
油と一緒にとると効率がよい
1日150g以上摂取が目標

★4群★
主にビタミンCを多く含む食品
淡色野菜・果物・きのこ類
1日200g以上摂取が目標

★5群★
主に糖質を多く含む食品
米・小麦・麺類・さとうなど
主食になるもの

★6群★
主に脂質を多く含む食品
油・バター・マーガリン・種実類など